週末NY市場の為替相場はかなり後半閑散とした動きになり一旦105円台を深堀したドル円は106円台までなんとか戻りましたがその後の動きは続かず上値は明確に低下する転換線に押しとどめられ、ぎりぎり106円を割れるかどうかのレベルで週の取引を終えることとなりました。
現状では日米の不思議な政治状況が非常に不透明であり、ここからどうなるのかはわからないことから、多くのファンド勢がキャッシュアウトして相場を眺める状況に陥っているため、出来高は非常に細っており為替は決済を必要とする実需以外大きな動きがなく薄い相場が延々と続いているようです。
マクマスター以外にもまだまだ辞める?トランプ政権
金曜日もトランプ政権の辞任・解任祭はつづき、今度はマクマスター補佐官を更迭することがヘッドラインニュースに流れドル円は東京タイムから大きく売り込まれることになりました。
どうも今年11月の中間選挙にむけて精軒イメージを新しくするために人の入れ替えをしているのも事実のようで、単にトランプと馬が合わない、プライドを傷つけられたというだけのこととは異なる判断が働いていることもわかります。
そういう意味ではクシュナー、イヴァンカ夫妻も上級顧問から離脱するのではないかという見方も強まっているようです。
米政権では大統領が家族を職員または閣僚として雇うことを禁じる法律があるわけですが、トランプは平気でそれを無視しており、共和党も問題にしないまま1年以上が経過しているわけですが、国民はそうは見ていないようで何らかのビジネス的な利益誘導を行っているのではという批判の目にさらされていることは事実のようで、選挙のことを考えるとこちらも政権から離脱する可能性が高いのはどうも事実のようです。
またこの政権では公費の無駄遣いをする馬鹿者閣僚が続出しており、本当に役立たずであることからクビになるケースも多いようです。
昨年9月にはトム・プライス前厚生長官がチャーター機の公務使用で辞任に追い込まれたほか、ベン・カーソン住宅都市開発長官は公費3万1000ドル(約330万円)でオフィスのダイニングテーブルを購入しようとして、キャンセル。
またライアン・ジンキ内務長官はオフィスのドアに13万9000ドル(約1480万円)を費やしたことが発覚してこちらもクビになりそうな状況です。まあ政治的指導者がろくでもないから、それに応じたろくでもないスタッフが集まるのかもしれませんが、トランプ政権のこの手の辞任解任劇には米国民もかなりあきれかえっていることがわかります。金融市場が様子見に走るのも無理はない状況といえそうです。
安倍政権もほぼお仕舞いの香りが漂いはじめている
驕れる者久しからずという栄枯盛衰の平家物語は日本ではあまりにも有名なお話ですが、どうも時の首相は森友の一件など大した話ではないとタカを括っていたところ次から次への大問題となってきており、週明けから関係者の証人喚問などが始まると想定外の事実が飛び出して抜き差しならない状態に追い込まれそうな雰囲気になりつつあります。
これからいくら取り繕ってみても、もはや元には戻らなそうな状況で少なくともこの政権に憲法改正を任せて安心ということにはならないでしょうから、結局のところ辞任待ちの相場になるのではないかとも思われる事態になってきています。
問題は金融市場の反応ですが、まだまったく織り込めていないのが実情で薄商いで毎日上げたり下げたりしているだけの東証の株式市場は、まず安倍辞任で少なくとも即日ザラ場で2000円以上下落することが容易に予想されます。
またアベノミクス終了で日銀緩和も変化すると市場が見立てれば日銀が下駄を履かせてきたETF買いのほぼ5000円分程度の上昇すら危なくなる状況で1万5000円ぐらいまでの大逆戻りはまったくない話しではなくなってきています。
様子見とはいうもののドル円にとってみれば上昇ではなく下落要因満載ですから3月末にかけてはまずよほどの短期売買でないかぎりドル円ロングのポジションを維持しているのは相当リスクが高そうで、下落方向を常に意識して戻り売りを心掛けるなどの売買が必要になりそうです。
こうした政治要因を考えますと1ドル100円で果たして止まるのかどうかもよくわからないわけですから、とにかく断定せずに柔軟に対応できる準備をしておくことが大切になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)