いよいよ3月も後半に向かってきています。今週はパウエルFRBになってから初めてのFOMCということで新メンバーが利上げのスピードをどのように考えているかに注目が集まります。
とくに年4回の利上げが鮮明になるようであれば債券金利は上昇しても株価はひどくそれを嫌がることになることからドル円が下落方向に足をすくわれるリスクも相当高くなりそうで、注意が必要です。
足元のドル円チャートは完全に三角持ち合いの途上にあり、来週これが下抜けか上抜けすることになれば流れが大きく変化する可能性が高く、そのきっかけになるのがFOMCの結果発表なのかもしれません。
先週ドル円は107円台を試しましたが、驚くほど上値が重く、ほどなく上髭をつけて戻ってくるという動きになってしまいました。週後半は107円にすら戻れずに金曜日はそれまで3回ほど支えられた105.800円を下抜けてしまいましたから、再度105円を試すリスクは高まりそうです。
実はNYダウも三角持ち合いを上下に突破しそうな相場
Data SBI証券
NYダウもここのところ上下動が収斂しつつあり、来週いよいよ三角持ち合いを上抜けするか下離れするかが決定しそうです。こちらもFOMCの結果が非常に影響を与えそうで気になります。
株も為替も三角持ち合いを下抜けした場合、かなりのエネルギーが発散されることになりますから、特にNYダウの動きについていきやすいドル円は105円を下抜けた場合、結構深い押しを示現するリスクがありそうです。
最近では大きな下落にはサーキットブレーカーが発動されて株価は下がらない、もしくは取引中止となりますからリーマンのような暴落はテクニカル的には防ぐことができるものと思われますが、それなりの値幅を伴う下落には対応することになりますので、果たして104円台を守れるのかさらに下値を模索する動きになってしまうのかが注目されるところで、本格的な下落は3月最終週に絡むリスクもでてくることになりそうです。
先週は本邦企業のレパトリのための円転も出た模様
15日前後というのは米債の利払いのタイミングにもあたっており、それを見越してレパトリで円転を行った企業や機関投資家などもそれなりに出現したようです。
東京タイムなどでも無理やりドル円を下落させるような動きがみられましたし、London Fixにも同様の動きがみられました。これらがすべてレパトリ需要かどうかはわかりませんが、それなりの可能性は高そうです。
森友関連でそれなりの動きがでれば海外勢は日本株売り必至
さらに今週は森本関連でも証人喚問の動きがでそうであり、この日取りと喚問の対象者、ならびにその証言内容次第では相場が大揺れになるリスクも抱えることになりそうです。
基本的には佐川元理財局長に責任を押し付けることになるのでしょうが、役人もなんでもかんでも罪をなすられてかぶるかどうかはわかりませんから、突如として事実が飛び出すことになれば、桜が散る前に安倍政権終焉ということもありそうです。
いまのところ4月上旬に訪米が決定していますが、この政治状況はそれを待ってくれるとも思えない状況で一気に話が進めばとんでもないリスクタイムが到来する可能性も考えておかなくてはなりません。
一般的には株価の2000円ダウン程度はいつ起きてもおかしくありませんから、ドル円がどのタイミングでどこまで下がるかはまさにドル円がどのレベルでこのネタがさく裂するか次第の状況になってきそうです。
米国トランプ政権の高官クビ問題は故意にやっていることですから、瞬間的に下げがでても暴落につながるとは思えませんが、貿易戦争に発展するような中国の対応と日本の上述の政権崩壊寸前の問題はいきなり話が進みだすととんでもないことになりますので、日頃以上の十分なポジション管理が必要になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)