先週FOMC以降にいきなり走り出したドルは対円では猛烈な弱含みとなりましたが、リスク通貨に対しては強含みトルコリラは大幅な下落を示現することとなりました。
ドルの動きはまだまだ今週も続きそうで、とにかく超短期間売買ではあやとりの形でドル円をロングすることももちろんありえますが、全体としてはレベル感だけで相場に買い向かうのが非常にリスキーな局面に向かっているようで個人投資家の方は特に注意が必要になりそうです。
NYダウは明確に2番底を試しに行く動き
NYタイムはここ1週間株価の下落にドル円がそのままついていく動きが顕在化していますが、そのNYダウは三角持ち合いを明確に下抜けたことから今回どこまで下落するのかが大きな注目点となっています。
すでに2日で1200ドル以上の下落になっていますからまだまだ下値余地はありそうで、東京タイムには下値でいろいろ登場するPKO軍団があっても海外時間帯はさらに下抜けるリスクがかなり高まっていることは意識しておかなくてはなりません。
また現状では2月の下落の二番底と認識していますが、さらにそれを超える下落になるリスクもまったくないわけではありませんから、かなり危険なところにさしかかってきていることは間違いありません。
Data SBI証券
新興国通貨や資源国通貨は要注意の一週間
このコラムではあまり積極的に取り上げてこなかった新興国通貨や資源国通貨ですが、トルコリラ円はトルコリラドルの下落にもともなって底抜けを起こしており、ここからは迂闊にレベル感だけから買い向かったり、既に持っているポジションにナンピンをかけたりするのは相当な注意が必要になります。
トルコリラ円 日足
トルコリラ円は一旦下げ止まりを見せて買い場と錯覚をおこさせるような動きになりましたが、結果からいいますと完全に下抜け状態でトルコ自体の経済状態の問題とともに米国をめぐる通商問題の緊張が高まっていることにリスク通貨がドルに対して安くなる動きがかなり顕在化しており、トルコリラがその最先端に存在する通貨となってしまっています。
ドルに対して下落しているところにもってきてドル円で円高が進んでいるわけですからトルコリラ円は対ドル以上に下落幅が大きくなっており、今週以降さらに円がドルに対して上昇するような局面ではさらに安くなることは覚悟しておく必要がありそうです。
たしかにスワップ狙いということでいいますとトルコリラ円はどうしても買いから入りたくなるわけで、相場上でもロングポジションが非常に積み上がっているわけですが、投げるに投げらない状況になりつつあり、流動性パニックから必要以上に相場が下落する可能性も高まりそうです。
実は豪ドルやカナダドル、ポンドなどもドルに対しては弱含みになりそうで、対円相場でも相当な注意が必要な状況です。
豪ドル円4時間足
ドル円も値ごろ感からの買いはかなり危険
ドル円も105円を下抜けたことから、ここからのサポートラインはあまりはっきりしなくなっています。
ご記憶のある方も多いと思いますが、トランプが大統領選挙に勝利した瞬間的に101.200円まで割れたレベルからごく短時間で105円台まで上伸したのが2016年11月であったことから、ほとんど節目になるポイントが存在していないのが現状です。
もちろんさらに古い期間を辿ればいくつかのポイントを無理やり見つけ出すこともできますが、この週足をみていただいてもご理解いただけるようにさらに下追いする可能性はきわめて高くなってきています。
ドル円週足
もはや上方向よりも100円のほうがはるかに近くなっていることはこのチャートでも明らかで相場の値幅が115円~105円から105円以下のレベルへと下降してきていることも鮮明です。
テクニカル的に底値がはっきりするまでは当分戻り売り主体で取り組むほうがかなり安全な状況です。とにかく突込み売りも比較的頻繁にショートカバーがでるので危険ですが、適当なレベル感だけで買い向かうのはもっと危険です。
できれば底をしっかり確認するまで待つか、徹底して戻り売りに徹するのがやはり得策となる一週間になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)