読み込み中...一昨日のFX市場はとくにドル円でイースター休暇前の買戻しが出てことからショートカバーが次々さく裂しなんと一瞬107円に到達する瞬間さえ示現することとなりました。
この流れでトレンドが変わったのかと錯覚された方も多かったと思いますが、結局ショートの損切で買いあがっただけなので翌日となった木曜日は一度たりとも107円に再上昇することはなく、相場はだらだら下がる動きとなってしまいました。
この時期のイースター休暇前のポジション整理や本邦の年度末の動きというのは実に特殊事情ですから、一時的な変化をプライスアクションから掌握して買いで利益を収められた方以外は後追いで買い向かえばまた下げに見舞われるということでかなり失敗してしまった方も多かったのではないでしょうか。
来週からはいよいよ2019年度ということで本邦勢も登場してくることにはなりますが、機関投資家は4月後半から5月で会社の方針が固まらないとなかなか大口の投資に参入してくることはありませんから、輸出の為替予約は本格的に始まるとしても意外にこの4月のスタート時期というのは為替に関してはぱっとしない時期でもあることは気をつけておかなくてはなりません。
年度末の特殊需要とはいえよく107円近辺まで上昇したドル円
ドル円の1時間足チャートを見返してみますと28日の朝にはまだ105円台前半だったわけですから多くの市場参加者が106円台前半は戻り売りと見込んで105.800円あたりから売り上がったものと思われますが、さすがに106.500円を超えたあたりから損切がではじめて106.800円を突破した時点でほぼ最後の損切がついて一瞬107円にまで跳ね上がったものと思われます。
しかしイースター前の買戻しも木曜の東京タイムには一巡し、ここから積極的に買いあがる向きもいないことから相場はじり安になり106円台前半にまで沈みこむ時間帯が結構みられることになりました。
さすがに昨晩のNYタイムは非常に値動きが少なく20銭幅程度でずっと推移して終了することとなりました。イースター休暇は2日月曜日までですから本日を含めてまた動意の少ない時間帯が継続するものとみられますが、いよいよ本格的に相場がうごきはじめるのは4月15日の米国の納税期限に向けたあたりになるのかもしれません。
季節サイクルから言うと3月末は円安で4月初旬は円高
これまでの季節サイクルからいいますとやはり3月末というのは例年特殊需要からドル円が上昇することが多くなるようです。
ただ、これはトレンドとしては定着しないことが多く、月初には逆に円高にシフトすることも多くなることから105円台からかなり上昇した今の相場でトレンドが変化したと理解するのは拙速すぎる可能性があります。
この時期はあまり方向感を断定せずにあくまでプライスアクション重視で売買をしてくことを心掛けたいところです。米国では4月15日が納税の期限となるわけですが、この時期に合わせて株価が反転することも多く、為替も少なからず影響を受ける可能性がでてきています。
ここからのドル円はまだまだ上昇に転じる材料が見当たらず、米国の通商政策という政治的な材料を含めて青天井で上昇が見込まれる状況ではまったくありません。
要人発言や日米の貿易交渉の経過次第ではいきなり円高に叩き落されるリスクが常につきまといますので一時的にドル円でロングをとった場合でも必ずストップロスをおいてまさかの事態に備える必要がありそうです。
北朝鮮問題はかなりリスク回避的な動きを緩和させてはいますが、何分具体的な階段が実施されるのは5月以降ですからリスクオン状態がこのネタだけで持続するとは到底思えない状態です。引き続き下方向への動きを意識しながら相場を見ていくことが重要です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
