読み込み中...月が判った4月の日経平均は外人投資家が買いを入れてこず、本邦勢だけでスカスカの薄商いを継続中です。やはり外国人が買いに来ないので相場に厚みは示現しないは、価格は上昇しないはでまったくいいところなしの状況です。
2001年以来過去17年4月は外国人勢買い越しが続いたわけですが、今年はその流れではなくなる可能性がどうも高くなってきているようです。
外国人投資家は安倍政権の運営を想像以上に嫌気
国内にいる有権者にとっても不可解で理解不能な安倍政権の運営は海外の投資家にとっては我々以上に嫌気する内容であり、国会でのまったく内容のない証人喚問で幕引きと考えている政権与党とは別に日本からの投資資金引き上げは続いている状況です。
しかも引き上げた後は資金が入ってこないというわけですから、株価が上昇するわけもなく2万1000円は底堅くても上伸する可能性は極めて少なくなりつつあるようです。
証券業界では為替が上昇しなければ株は上がらないと見ているようですが、為替の世界から見ると日経平均が上がらないからドル円も停滞しているように見えるわけで、早い話しが両方とも上昇はたいして見込めない状況に陥りつつあるようです。
そうでなくても米国の株式市場が不穏ですから、一旦キャッシュアウトして相場の状況を静観しようとする動きがでてもなんの不思議もない状況が強まりつつあり、本格的に本邦の機関投資家が登場するまでは日本株の上昇からドル円が上昇するのはかなり期待薄になりつつあります。
株式市場の関係者はいつまで国会で森友問題をやっているのかと厳しい非難をする輩がやたらとツイッター上に目立ちましたが、この問題いくら簡単に幕引きしようとしても肝心の外国人投資家筋はその本質を見抜き始めているようで、時が経てば沈静化するなどという稚拙な発想が機能しない状況が続いています。
日銀短観の想定レートはバカ高い状態
ところで日銀が2日の発表した3月調査の企業短期経済観測調査（短観）で、大企業・製造業による2018年度の収益計画の前提とする想定為替レートが１ドル＝109円66銭とかなり高い水準にあることが話題になってきています。
つまり多くの企業が足元の円高状態が企業内の想定レートと著しく乖離しはじめていることに焦りを感じているはずで、ここから円の手当てを急ぐ本邦系の輸出企業が続出すればドル円の頭は大きく抑えられる状況にあることが鮮明になりつつあります。
なぜトランプ政権の厳しい通商政策のもとでドル円が110円に近づく水準で推移すると多くの企業が見ているのか理解に苦しみますが、もうひとつ踏み込んで言うと企業が想定している利益水準もこの為替の状況ではまったく到達可能ではなく、株価の上昇は見込めないことが見えてきます。
ここからは107円以上に相場が回復した場合相当な輸出勢の売りが上方向に並ぶことを示唆していると言え、ある意味で安心して戻り売りができそうな状況です。
とにかく丁寧な戻り売りで利益を確保
4月は一般的に円高になりやすいアノマリーがありますが、突込み売りは避けるとしても丁寧な戻り売りで利益をしっかり積み上げていきたいところです。
新年度入りしても多くの企業と機関投資家は方針の決定をすぐにするわけではありませんから、どうしても4月後半や5月に入ってからゆっくり動きだすのが通例で、輸出系企業は逆に5月のゴールデンウイーク前に為替の手配を前倒しに行う傾向がありますから国内要因でここからのドル円の上値が重くなるのは、ほぼ間違いない状況といえます。
一旦107円をつけて流れが変わりそうに見えたドル円ですが、実際のところはほとんどポジション調整のショートカバーから一時的につけただけで上値はかなり重いと見ていていいのではないでしょうか。
米株の動きも依然安定しているわけではありませんから、いきなり下落方向に動き出すことも視野に入れながら取引を継続していくべきでしょう。新年度明けではありますが、相場はまったくぱっとしない状況です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
