読み込み中...金融市場の相場が非常にわかりにくくなっています。昨晩の雇用統計自体ではほんの30銭程度しか動かない相場に見えましたが、結局NYダウの大幅下落に引きずられる形でドル円はまさかの逆戻りを示現してしまい106円台に下落して週の取引を終えています。
ひとくちに言えばトランプに振らされる相場ということですが、どうもトランプ自身は前回もご紹介したようにひとつもブレておらず常に同じことを口走り実行に移しているにもかかわらず市場側があまりにも楽観視して都合のいい閣僚の言葉尻だけからリスクオンの相場に持ち込もうとして、見事に失敗していることがわかります。
ドル円は107.42円から106.78円まで下落した。ダウ平均は前日比767.02ドル安の23738.20ドルまで下落、米10年債利回りも2.768％まで低下することとなり、下落が一旦止まったかに見えた為替も株ももとの木阿弥でまったく方向感のない動きとなってしまいました。
思い込みで取引するのが禁物であることをあらためて実感させられる相場です。
ドル円は戻りたがっているがそうは問屋が卸さない状態
たしかにアノマリー的にもドル円は戻りを試したい時期に差し掛かっていることは間違いありませんが、日替わりで上昇したり下落したりを繰り返すNYダウの市場状況に完全に翻弄されており、金曜日のNY市場も完全にその動きに翻弄される状況となってしまいました。
107円台はかなり堅く見えたのですがさすがにザラ場で700ドル以上株式市場が下落すればちょっとした暴落ですから上昇が阻まれるのは当たり前で最後まで見ていないとNYの株式市場はよくわからなくなっているのが実情です。
Data SBI
とくに後場の終了前1時間ぐらいは相場が急変することも多く為替市場は通常NYタイムの午後は凪で終わることが多いのに完全にこの動きに翻弄される結果となっています。
週明けドル円は106.500円を維持できるのか下抜けるかでまた方向が変わりそうですが、ここから105円台に再突入しに行くようにも見えずなかなか悩ましい週になりそうです。
中国もやる気満々で簡単に決着がつかない米中貿易紛争
確かにトランプのやり方は最初に厳しくあたってあとからその一部を引っ込める形で落としどころを探る方法をとっていることが認められますが、まだ足元の状況はその応酬段階で落としどころが見つかったわけではないことは市場参加者もしっかり認識しておく必要があります。
テクニカル的には上昇に見えても、きわめて政治的に動いているのがこの手の交渉ですから相場の動きには逆らえませんが、思い込みから売買をするとかなり痛い目にあいそうな状況になってきています。
米国の証券関係者からはトランプ発言もいい加減にしてほしいといった愚痴が飛び出しつつあるようですが、さすがにこれだけNYダウが大きな上げ下げを毎日繰り返していると相場が痛むのは間違いなく、実は市場参加者はかなり限られつつあります。
2017年、年間を通じてNYダウの1日の値動きは100ドル程度と非常に静かにじり高を進めた相場が進行したわけですが、今年1～3月だけでもその値動きはすでに300ドルを超えており、足元では毎日のように500ドル程度の上げ下げが繰り返されているわけですから、投げと踏みの応酬に巻き込まれるのはもはや仕方ない状況ともいえます。
こうなると1時間以下など相当短い足で長く相場に足を踏み入れないことが非常に重要になりそうで、相場状況にあわせた売買法をよく考えなくては生き残れない時間帯に差し掛かかっていると言えます。
ここ数日の動きでドテンしてドル円をロングした向きがさらに下値追いで投げさせられそうで、果たしてどこまで週明けドル円が下がるかに注目が集まりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
