20日の東京タイムは5~10日ということもあって仲値に向けて買いあがりましたが、その後いったん反落。しかしさらに海外短期の投機筋が猛烈に買い上げて107.730円レベルまで上伸することとなりました。
東京タイムではっここまででロンドン時間に入ってから再度ドル買いがスタートし107.860円手前まで上昇することとなりましたが、London Fixに大量のドル売りが出て107.500円台まで沈みこむ形となったものの、それ以上は崩れることなくなんとか107.600円レベルで週の取引を終えています。
ちょうどこの時間帯に米株が大きく崩れだしたのもドル円の上値を抑えています。
仕掛けているのは米系短期投機筋とのうわさ
一旦市場に目だった材料がなくなった中で今ドル円の買いを仕掛けているのはどうやら米系の短期投機筋のようです。
5月末の班期末の決算をにらんで少しでも利益を上げたい短期投機筋は売っても売っても下がらないドル円をあきらめて逆に買い仕掛けで上に持ち上げようとしている可能性が高そうで、恐らく彼らがかかわるディールということになれば最低2円程度を抜くつもりで買い上げてきているものと思われます。
今週は結果的に下値は切り上がりつつありますし、上値も2月21日以来の最高値を更新しています。
ここからは108円を超えたところに売りとストップロスが混在しているはずえですから、さらに相場が上伸すればショートカバーだけで108.600円レベルまで上昇できる可能性があり、相場全体がベアからブルに転換すれば109円台をつけることも想定しているものと思われます。
ただ、ゴールデンウィークも近くなっていますからこの仕掛けがワークするのは来週一杯がせいぜいの可能性が高く、しかも投機筋ですからどこかで必ず反対売買を出してくるわけでかなり時間のかぎられたディールになる可能性がありそうです。
ポンド円の下落がドル円にも影響か
ポンドは利上げがかなり近いとの報道から上伸し、しかもM&A絡みでポンド買いが出ているとの観測も上昇の支援材料となってきましたが、BOEのカーニー総裁が気迷いの発言で利上げを否定するようなそぶりを見せたことから大きく売られ、ドル円の上昇にも歯止めをかける形となっています。
足元の相場はたいした材料がない中でドル円を持ち上げようとする向きがいるわけですから、ほかの通貨の影響も受けやすく、果たして108円台中盤以降を超えていけるのかどうかも気になるところです。
こうなるととにかくドル円は引き付けて上方向に買いを入れてついていかざるを得なくなりますが、上がらなくなれば容赦なくリカクして大きく利益をとることを望むよりもしっかりと利益を積み上げる努力をするほうが報われそうに見えます。
昨晩も最高値からいとも簡単に30銭以上短時間で下落していますから、常に上昇をキープできると考えるのはかなり危険そうで、プライスアクションにあわせて売買することが肝要になりそうです。
ドル円の場合1ディールで2円以上とることができればまあまあの利益ということができそうですから短期の投機筋が仕掛けてくる場合それ以上は狙わない可能性が高く、しかもここから110円のせまでを想定するのはかなり難しそうですのである程度とれたら高値で買いすすむのだけは注意が必要になりそうです。
例年ゴールデンウイークは輸出勢が長い休暇になることが多いためリーブオーダーを置いたまま一週間が過ぎることになり、現時点のレベルからいえば108円台後半や109円台にはかなりの売りが並ぶことが予想されます。
したがってここからドル円が上昇しても投機筋の思惑通りのレベルまで上伸するかどうかはわからないこともあらかじめ想定しておきたいところです。またここからの高値は絶好の売り場になる可能性もありますので、戻り売り目線も忘れずに機能させていくことをお勧めします。
(この記事を書いた人:今市太郎)