21日のドル円相場は110.350円あたりからアジアオセアニアタイムが始まり、相当売り上がりしてショートが溜まっている気配濃厚であったことから案の定相場が持ち上がりはじめストップを次々とつけることで110.750円まで上昇することとなりました。
チャートを見ている限りでは仲値以降に続伸しているようにも見えましたが、結局のところショートが溜まり過ぎたところにストップロスハンティングをする輩が登場して持ち上げられただけで、今度は110.700円を超えたことから俄かロングが多くなりすぎて逆に荷もたれしながらロンドンタイムには110.300円台まで下落する動きとなってしまいました。
それでも110.200円あたりの200日移動平均線は割れなかったことから買い向かった向きもいたようですが、NYタイムにはさらに下落して109.800円台を記録、しかし下値ではそれなりの買い需要があったようでそこから大きく下がることなく110円近辺で22日のアジアオセアニアタイムを迎えています。
相場はトレンドフォローが一番勝ちやすいわけですが、明快な方向感がない場合にはやはり短時間でリカクして逆張りも応用した取引が必要になることを強く実感させられました。
相場全体がリスクオンなのかリスクオフなのかはっきりしない
NYダウはとうとう8日連続下落で、昨日市場最高値をつけたNASDAQもさすがに昨日は下げに転じています。
VIX指数は徐々に上がり始めており、株式市場はまた様子が変化し始めているようにもみえますが、国内に目を転じてみますと日経平均は続伸しているもののTOPICSは下落でNT倍率も大きく、二つの指数が乖離し始めています。
どうも日経平均はCTAがアルゴリズムで大きく買いあげたようでファストリが日経225を持ち上げたようではありますが、全体としては決して調子のいい状況とはいえず、だいたいNT倍率が広がったときにはその後TOPICSのほうに相場が寄せていくことが多いだけに決して好調相場とは言えない雰囲気が漂いはじめています。
東京タイムはドル円も日経平均の動きに連動し易くなりますが、世界的なセンチメントとこの時間帯の相場の動きがかならずしもシンクロしていない点にはかなり注意が必要なようです。
ドル金利高で今頃下値で買いをいれてくる武田
武田のシャイアー案件の話はもう既にかなり昔のことに思えますが、ドル金利が高いことからブリッジローンなどを延々と行っていてはコストが耐え切れないということで、今頃になって武田案件でドル円の買いが出ているという情報が市場に流れています。
実際先週あたりも下値では必ず武田のドル円買いがでたようで、買い切り玉ですからドル円を支えるのにはかなり役立って入りうようです。ただ、未来永劫に買い切り玉でるわけではありませんから、こちらも絶対安心とはいえない状況です。
さらに一昨日ドル円が東京タイムから大きく崩れ始めた際にはちょうど本邦の機関投資家からドル円のかなり大きな売り玉が持ち込まれたようで、本邦勢も下値で買ったものは上値で売り飛ばすというディールを行っていることがわかっています。
チャートに依存しすぎないプライスアクションディールが重要
長い時間足のチャートだけ見ていますと相場の方向感が変化したのがよくわからないものですが、1分足などを延々と見ていますと、どうも上がらなくなってきたとか下落しても一定のレベルから下がらないといったことがはっきりつかめますので、適格なプライスアクション売買ができるようになります。
やはりこういう相場ではスキャルピングが非常に危なげのない取引を実現してくれます。間違ったと思ったらとにかく躊躇することなく一旦損切して再度相場に入りなおすという柔軟性が証拠金を減らさない大きな手法になるのではないでしょうか。
市場はドル高で円高ですから、ドル円ではなくクロス円やドルストレートで勝負したほうがどうやらわかりやすく勝つことができそうで、当分ドル円は様子見かも知れません。
(この記事を書いた人:今市太郎)