読み込み中...先週のドル円は19日の東京タイム始まりの時間のいきなり米国トランプ大統領が中国に対する貿易制裁を口にしたことから大きく下落することとなりました。
また、金曜日のNYタイムのスタート時間にも欧州の自動車輸入に関して20％の関税をかけるという発言がが飛び出したことから、ドル円は109円台に突き落とされるという指標よりもトランプ発言次第の相場が延々と展開することとなりました。
貿易関税の話は短時間で話が一気に進まないことからひとしきり要人の話が出尽くすとなんとなく相場が元に戻る動きになっていますが、どこまでこの状況が続くかについては注意深く見守る必要がありそうです。
恐らく週明けも同様の展開がまだ続くことになると思われますが、米中の戦争の様相を為替相場が危機感を感じてしっかり織り込み始めると足元のドル高状態にももう一度巻き戻しが入る可能性があり、ドル円もこれに非常に注意する必要がありそうです。
今週はドイツの政情不安にもかなり注意が必要
G7で孤立した米国を除き、残りのG6はドイツメルケルを中心に結束して巻き返しを図るといった動きを画策していたようですが、そのドイツも移民の問題を巡って連立が解消しかねない状況になっており、2週間ほど時間を稼いだメルケル陣営がEUの首脳会談を経て何か有効な手段を対立するCSUに提示できるのかどうかが大きな注目点になりそうです。
28日29日に開催されるEU首脳会談において、移民問題がドイツをサポートするような内容で合意となればCSUとの連立継続となるのでしょうが、物別れに終わった場合、メルケルの政党だけでは不信任案の可決を止めることができる辞任に追い込まれるリスクも十分にあります。
ここでドイツの政権問題が浮上した場合には、ユーロドルがかなり厳しく売り込まれることとなり、ドル円はほかのドルストレートと同様に上昇するのか、ユーロ円の下落を受けながらリスクオフとなって下げるのかが大きな注目点となりそうです。
足元のドイツはアウディのCEOが逮捕されるなどディーゼル車の虚偽データ問題は、かなりクリティカルな状況に向かって、ドイツ銀行の経営危機問題も再浮上しており、ドイツ一国だけが調子のいい状態を維持できなくなっています。
そこにメルケル政権崩壊が重なればかなりユーロが下落するリスクがありそうで、今週のEUの対応、メルケルの動きからは目が離せない状況といえます。
投機筋はドル円を買いに再転換
ここのところ週替わりでドル円を買ってみたり売ってみたりしていた投機筋ですが、直近のCMEのレポートを見ていますと、FOMC以降投機筋がドル円を再度大きく買いあげてきていることがわかります。
ここのところかなりドル円に対して迷いの強かった投機筋ですが、明確にドル円を買いあげ始めている状況で、果たしてこの状況が本当に続くのかも非常に関心が高まるところです。足元ではドル円はだんだんと上値が重たくなっており、せっかくファンド勢が買い上げようとしてもそう簡単に動かない時間帯にさしかかってきています。
ただ、109円台に入りますと直近では109.800円レベルの買いが非常に強いようで下値も妙に堅くなっていることから結局大きな動きを伴わずに横展開してしまう可能性もありそうで、7月に入るまでは今の相場の状況が継続することも覚悟しなくてはならないところにきています。
株式市場はかなり米中の貿易戦争を織り込みはじめていますが、為替はまだそこまで織り込んでいないという見方もあり、7月6日が近づいて関税制裁が本当に履行されるとなった場合あらためてリスクオフからドルが売られ円が大幅に買われるリスクに直面することも想定しておかなくてはなりません。
今週はまだ相場は小動きしそうではありますが、動きはじめると一気にその動きが加速するリスクはありますので、用心深く対応していきたいところです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
