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米国株式相場大暴落の典型的事例ブラックマンデーを考える

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今年はリーマンショックが起きてから9月で丸10年となり、1987年10月に発生した「ブラックマンデー」と呼ばれる米国発の株式相場大暴落からも31年にあたります。
米国ではほぼ「10年に一度」」必ず大きな川が氾濫するかのように、株式相場が暴落を繰り返すという歴史を誇っていますが、いよいよそのタイミングにあたる今、改めて考えてみたいのが「ブラックマンデーの発生原因」です。今回はブラックマンデーについてまとめてみました。

ブラックマンデーの概要

ブラックマンデーはまさに言葉通り「暗黒の月曜日」という意味で1987年10月19日の月曜日、何の前触れもないままNY株式市場の株価が「22.6%」という史上最高の暴落を示現したことを指します。
もともと1929年のNY市場の大暴落が「ブラックサーズデー」と呼ばれていたことからついた名前となっているのです。
このブラックマンデーは米国でほぼ10年に一回発生する大きな暴落の「典型的事例」とされてきましたが、2000年の「ITバブル崩壊」2008年の「リーマンショック」と比較すると異なります。
ITバブル崩壊とリーマンショックはともに経済にも大打撃を与えましたが、ブラックマンデーは、金融相場の参加者に損失を与えたものの、経済自体には大きな損失を出さずに立ち直ったのです。
状況は異なりますが、足元でいうとビットコインが大暴落して取引参加者は大損したものの経済自体にはなんら影響がないという状況によく似た動きとなりました。
このブラックマンデー、発生当初は何が原因でいきなり起きてしまったのか全く分からず、また数日後に大きく相場を戻して終焉したことからいまだに謎が謎を生む状況となっています。

日米相場の下落幅

当時の米国NYダウは前週末の終値2250ドル近辺から突然508ドル、22.6%もの下落を繰り広げることになりました。日本株は時差の関係で翌20日火曜日に大幅下落となりましたが、19日の終値は25,746円で翌日3,836円の下落を示現することになります。

これをご覧になると米株の価格は何かの間違いではないか?と思われる方も多いと思いますが、22.6%も下落して下落幅が500ドル強?今なら月に一回暴落ではないのか?と目を疑うような金額的には今思うとずいぶんと小さな数字になっています。
NYダウの現在の相場レベルはこの当時の暴落直前の水準から考えても実に12倍以上上昇をしていることがわかります。一方日経平均は足元の相場よりも高く、いかに国内株式市場が「長く低迷してきているか」を如実に表す数字になっているのです。
米国株はこの暴落後元の水準に戻すのに、実に1年半近い歳月を要することになりますが、当時の日本はバブルの絶頂期であったことから、21日には日経平均は2037円高と急反発し89年末まで急激に相場上昇を果たすこととなったことから、実害はほとんどなく終わっているのです。
トルコがどうの、中国上海株がどうのという外部環境の変化で連日下落を余儀なくされるような足元の相場では、考えられないほどの強さを示していたということができます。

ブラックマンデーの発生理由とされたこと

ブラックマンデーが発生した理由としては、いくつかのものが定番的に語られています。

1)西ドイツの利上げが原因とする説
1985年9月米国はプラザ合意により、先進国各国がドル安を止めるべく協調介入を行うなどの合意を取り付けることになります。
これによりドル安が確実に進行したわけですが、あまりにも強烈な強調介入であったことから、ドル安と当時の西ドイツ通貨であるマルク安が進み過ぎてしまうという過度な状況が示現してしまいます。
そのため1987年には先進7か国が集まってドル安とマルク安を抑止するために「ルーブル合意」が結ばれることになったのです。
この内容では今度は協調して利下げを行う予定でしたが、インフレファイターとして名高いドイツのブンデスバンクはインフレを抑えるために一転して利上げに踏み切り、市場に政策協調の破綻を示唆したことからブラックマンデーにつながったとする説があります。
2)自動売買プログラムの暴走によるもの
80年代の後半はまだパソコンすらまともに民間には普及していない時代でしたが、当時自動売買が既にスタートし始めており、ほぼ同時期に普及したオプション取引と自動売買が相場の暴走を生み出したという説も有力です。
当時は、株価が下落すれば、株価先物を自動的に売り、さらに株価が下落すれば、再び株価先物を自動的に売るという、いわゆるポートフォーリオインシュランスと呼ばれるデリバティブの手法をコンピュータが自動で行い始めた時期であったのです。
19日のNY市場で株価が下落しはじめると、コンピュータがこの先物の自動的な売りが起動して必要以上に売りを加速させてしまい、これが暴落のきっかけになったという説がこれにあたります。
実際当日の先物売り注文のほぼ半分がこのポートフォーリオインシュランスによる自動売買プログラムによるものであったとの分析も行われており、暴落を助長してしまったことだけはどうやら間違いない状況のようです。

直近の研究では全く別の要因も浮上

最近金融業界で語られ始めているのは、こうした既存の原因とは別のものとなっています。それは当時「ジョージ・ソロス」が莫大な株売りを市場に持ち込み始めていたということです。

この
頃はインターネットもなければ携帯電話もまったく普及前の状況でしたから、市場関係者の噂だけが大きく機能する時代でもあったわけです。
どうも「ジョージ・ソロス」が「株をかなりの額で売ろうとしている」という噂が市場に広がり、それを知った市場関係者が一斉に売りに回ったことが流動性の枯渇を生み出し、上述の自動売買の売りがそれを増幅させる形で必要以上のパニック売りを加速させてしまったというのが、信ぴょう性の高い説になってきているのです。
最近ではFX市場ではトルコリラのパニック売りが象徴的ですが、金融市場というのは参加者が一斉に売りに走った場合にはほとんど流動性がなくなり売るに売れない状態が引き起こされることが多いものです。
株式市場も流動性が枯渇するという点では、ほかの金融市場に負けないほどのパニックを引き起こすものになっているのです。もともとトルコ人で終末博士の異名をもつニューヨーク大学の「ヌリエル・ルービニ教授」は流動性パニックが起きる原因を次のように説明しています。
「驚きが発生した時に、株式や特に債券の再評価は急激で劇的になり、同じ混雑した取引に捕まった全ての人は、われ先に出口へと向かうことになる。」
これまでと反対方向への群れる行動が発生するのがまさに「流動性パニック」であり、1987年の暴落の時は情報の遅延性もあったことから、伝聞で噂が広がることによりこのパニックの輪は想像以上に大きなものになってしまったともいえるのです。
こうした市場参加者の心理的要因が引き起こす暴落というのは、今でも常に起きるものであり、最近ではその動きにAIを実装したアルゴリズムがさらに輪をかけた動きにでることから、必要以上の暴落が加速されることになるのです。

暴落にも暴騰にも人が押し寄せる

市場参加者、あるいは通常参加していなかったものまで市場に押し寄せる状況というのは、これまでにない相場を示現することが非常に多くなります。

昨今ではビットコインがどうやら儲かるらしいということから相場に乗り遅れたくない投資家が大挙して市場に押し寄せ、さしたる理由もなく暴騰してしまうという相場は実際に何度も示現し始めています。
逆に「今売らなければどうにもならない。」という危機感から売りに参加者が殺到すれば、何の意味もなく相場は大きく下落してしまうことになります。
こうした投資家の心理状況は計量化することができませんから、後から相場をいくら見直してみてもその理由はさっぱりよくわからないということになってしまうのです。
ブラックマンデーから得るものがあるとすれば、まさにこの部分であり、ここからの株式市場やFX市場でもいつでも常に起きる可能性のある要素となっていることを理解しておくべきでしょう。

サーキットブレーカーが発明される

米国ではブラックマンデーの教訓から株式市場に「サーキットブレーカー」という制度を設けています。これは売りが嵩んで値動きが一定の幅を超えると、強制的に取引を中止するというまさにブレーカーのしくみが働くことになるのです。

NY株式市場におけるサーキットブレーカーはNYダウが1日に10%下落するとまず全銘柄の取引を停止し、20~30%の下落が示現した場合、より厳しい取引制限を課すことになっています。
この制度の発動要件は四半期ごとに見直しされていますので、常に相場状況に合わせた内容となっています。これにならば売りの形で各国の株式市場も同様の仕組みを導入していますから、いきなり1日で20%相場が下落するということはなくなっています。
しかしながらNYダウで言えば、足元の相場レベルは2万5000ドル程度ですから、10%下げるとなれば2500ドル、ブラックマンデーの下げの実額の実に5倍程度の下落を余儀なくされるわけです。
1日にすべてが下落しなくても、連日10%以内で続落するような事態になればこのサーキットブレーカーも「ほとんど機能しない状態」に陥ることも意識しておく必要があります。
日本でも同様の状況ですが、今の日経平均でブラックマンデー当時のように3800円相場が下落すれば、もはや壊滅的な状況に陥ることもまた事実です。

アルゴリズムの普及でフラッシュクラッシュが起きる時代に

現代の株式市場は30年前とは大きく変化している状況があります。それはAIさえも実装した、きわめて高度化したコンピュータのアルゴリズムのよる自動売買で、ここ数年人の裁量取引では示現しないような瞬間的な暴落、いわゆる「フラッシュクラッシュ」と呼ばれるような事態がかなり頻繁に起こるようになってきています。

アルゴリズムは方向感が出た途端に高い値でもさらに買い上げますし、底値でもより売り込むという人の心理ではありえないような状況を作り出します。
しかもトレンドにフォローする動きをとることから、オーバーシュート気味に相場を暴落、暴騰させやすく、しかもそのほとんどは暴落時に大きな役割を果たしてしまうことが多いのが実情となっています。
米系金融機関の証券部門では、人間のファンドマネージャーはほとんど存在しておらず、AI実装のアルゴリズムを数人のエキスパートが管理するだけで日々の取引を実施しています。
ですからアルゴリズム起因の暴落といったことは、今後も非常に可能性の高い事象として認識しておく必要がありそうです。

ミレニアル世代の金融関係者、投資家は暴落知らず

1987年のブラックマンデーは年配の人間ならば金融関係者のみならず一般人でも記憶に残る事態となっていますし、2000年のITバブルの崩壊、2008年のリーマンショックによる前代未聞の金融危機などは記憶に新しい事象ということができます。

しかしながら今米国の金融市場を動かしているのは「ミレニアル世代」と呼ばれる20代から30代前半程度までのかなり若い世代であり、実は彼らはリーマンショックの暴落すら経験したことがない、いわば暴落を知らない子供たちが大きくなって市場に参入している状態といえます。
とくにここ10年間は日米欧の中央銀行が無理やり作り出した「過剰流動性」と自らが値付けをする「人工相場」が定着して当たり前の状況になっていました。
米系金融機関で株式を扱う人間も「FANG」などの爆発的に利益を確保できる銘柄に集中投資を行い、一般人の生涯賃金に近いような驚くべきパフォーマンスボーナスを支給されてきていますから、こうした投資を一切やめる気配はなく、行けるところまでは従来型の投資手法で相場に臨もうとしています。
もともと長く生涯にわたって関与するビジネスではないことから、こうした一発屋の世界は株式市場にも相当深く残存しているのが実情で、過去の事例はお構いなしで太く短く一攫千金を狙う市場関係者の姿がどうしても定期的に暴落を招く原因にもなっているといえるのです。
ブラックマンデーそのものは徐々に忘れ去られたイベントとなりつつありますが、そこで展開された人の心理に基づく暴落のきっかけは足元の相場でも十分に機能するものである事は忘れてはなりません。
(この記事を書いた人:今市太郎
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