今年はとにかく大型で強い台風が何度も日本列島に襲来することになり、停電も想像を絶するほど長く継続することとなりました。また首都圏はそれ以外にも落雷が頻発し、家電製品をぶち壊すという猛威を振るったのは忘れることができません。
一般的に落雷になりそうならPCは電源を落としてコンセントを抜けば問題ないわけですが、FX取引をしていますとそうは問屋が卸さない状況が多く、しかもいきなり停電ともなると指値を入れておかなかったポジションがどうなってしまうのか実に心配な状況に陥ってしまいます。
今回はそんなFX取引と防災について考えてみたいと思います。
まさかの時に意外に活躍するのはスマホ
FXの場合、保有しているポジションにあらかじめ、指値なりストップロスなりを入れておけば、万が一取引しているPCの電源が喪失したりネットの接続環境が破壊されるようなことになっても、売買は継続することになります。
問題は保有しているポジションになにも指値、逆指値を置いていなかった時で、こうなると利益が出ているうちは延々とポジションが継続することになりますが、損失がでれば強制ロスカットになるまでその額は膨らむという相当厳しい状況に追いやられてしまします。
世の中には停電時にもバックアップのバッテリーを利用した無停電電源装置 を設置することで一時的な停電に対応することが可能ですが、PC本体のみならず、ネットワークのルーターにも同種の装置を実施して万全を期す必要がでてきますし、そもそももって最大十数時間ですから、あくまで一時的な対応策にすぎず、長期の停電にはまったく歯が立たないのが実情です。
こんな時に意外に大きな能力を発揮するのがスマホによる売買で、とにかくスマホで売買ができれば最悪の事態は一旦回避することができるのです。
日常的にPCで取引をしているとこうしたまさかの事態というのはほとんどのトレーダーが想定していないものだと思いますが、やはりまさかの時にためにスマホで取引ができるように準備しておくことが必要です。
台風の時にローソクや懐中電灯を用意するのと同じように、スマホで取引できるアプリをインストールしておくことが絶対おすすめとなります。
さらなるリスク管理で威力を発揮するVPS
FXの場合にはクライアントPCではなくデータセンターに設置されたVPSを利用して売買をすることができますが、これはどんなことがあっても通常は絶対電源を喪失しませんからまさかの災害時にはかなり心強い味方となります。
一般的にはMT4でEAを動かして自動売買するときぐらいしか利用を検討しないのがVPSですが、実はまさかの災害時にもしっかり対応できる心強い仕組みとなるのです。
さらに通常はこうしたVPSはPCからアクセスするのが基本ですが、スマホやタブレットからもアクセスできるアプリをあらかじめ導入しておけば、まるでPCでアクセスしているのとまったく同じようにスマホからも売買を管理することができるのです。
さすがにこうした仕組みは災害が発生してから考えるというものではなく事前に準備しておく必要がありますが、各業者がスマホ用に用意したアプリやMT4のスマホアプリと違ってPCバージョンをそのままトレースして遠隔操作できるのが大きな魅力となります。
これまで台風が来たぐらいではそこまで深刻にFXの取引の影響は考えなったものですし、東日本大震災の翌週の月曜日にはなんら問題なく取引ができていました。
ですから、深刻に考え過ぎにも思えますが、今年の西日本の台風の災害、それに先立つ関西の地震とその後の北海道の大地震、東京圏の落雷の異常事態などを考えますと、まったくありえない話と想定すること自体が問題であると思う次第です。
自分の資産を守るためにもFXの防災対策を真剣に考えるべきではないでしょうか。
(この記事を書いた人:今市太郎)