読み込み中...10日に突然大きく下がり始めた米国株式市場の影響で日経平均もボロボロの状況が続いた一週間でしたが、ドル円のほうは意外に底堅く、この暴落でも下押ししたのは111.625円止まりということでかなり下値が堅い状況が続きました。
しかし下値の堅さとは裏腹に上値もそう簡単には上昇しない雰囲気で112.728円を一度つけただけで週末に向けてもそれ以上大きく上がる動きは見せないまま週の取引を終えています。
気になるのはこの相場の暴落とその後の不安定な状況が週明けに一掃されるのか、引き続き下落リスクを引きずりながら展開していくのかという問題です。
※ドル円1時間足
御覧いただくとわかりますが、111円台には実需筋がそれなりの買いを入れているようでなかなか下がりません。ただM&Aの絡む買い切り玉もあると言われる111円台は為替介入しているわけではありませんから、一定の買いがこなれればそれでお仕舞いということもあり得るわけで、下値は絶対安心とまではいえない状況であることも認識しておかなくてはなりません。
材料満載で何に相場が反応するかで動きが変化しそう
週明けの市場は驚くほど材料が満載で相場が一体どれを意識するかでその為替もその動き方が大きく変化しそうです。今顕在化しているものを上げてみますと・・
EU イタリアの予算問題
前代未聞のEU委員会からの予算案差戻しでユーロ安必至～ユーロ円下抜けならクロス円とドル円にも影響か
BREXIT進展なし
80％近くまで詰められていると言われたBREXITは結局何も決着できず先送り～合意なき離脱の可能性一段と高まる。ただし徐々にポンドだけの問題になりつつある
中国の株式相場、為替相場リスク
とうとう上海総合指数は2500すらした抜け、人民元も対ドルで7人民元到達は時間の問題、為替操作国は免れたが当局がすでに相場を制御できていない可能性もあり週明けも注目
サウジとうとうカショギ氏の死亡を確認
サウジアラビアがとうとうカショギ氏の死亡を公式に確認、ただムハンマド皇太子の関与はない雰囲気を引き続き醸成中～トランプ政権の反応次第では相場にかなり大きな影響を与えそうな事態に。
といった具合で、どれが相場の関心を大きく引くかによってドル円などの動きもかなり変化することが予想されます。中間選挙までいよいよあと2週間あまりになってきましたから、基本はレンジ相場になる可能性が高そうですが、問題となる案件に大きな変化が訪れると株式市場や債券市場に劇的な変化が訪れるリスクが残る点が非常に気になるところです。
今年のハロウィンが買い場になるかどうかも微妙
例年ハロウィンの時期の下落相場は年末に向けての上昇のための絶好の買い場になることが多いわけですが、足元の相場状況を見ていますと、米株も日本株も連日非常に神経質な展開をしております。
ちょっと材料が加わると大きく値を下げる動きが見られ、10月10日からの暴落を完全に吸収しきって状況局面に入ったのかどうかはまだ今一つ確証が持てない状況です。
チャートから見る限りもう一段の下値試しがあってもおかしくない感じで、押し目が本当に買い場なのかどうかはまだよくわかりません。
ここまでくれば11月6日の中間選挙の結果をみてから判断しても遅くはなさそうで、一旦様子を見るのも一つの方法と思われます。とくに中国やサウジの問題はいきなり前面に飛び出してきつつあり、相場下落の大きな材料になっても決しておかしくはないところがなんとも気になります。
ヘッジファンド勢も10月の暴落ではかなり痛手を被っているようで儲かっている相場に売りがでることも考えられますから、週明け相場も慎重に対処すべき一週間になりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
