11月の為替相場は前半米国の中間選挙があってなかなか動きが取れませんでしたが、その後はこれまでの中間選挙アノマリーから、感謝祭を経てドル円なども大きく上昇することが期待されました。
しかし、結果はほぼレンジの横展開に過ぎず辛うじて月足では陽線引けを維持したことから、中間選挙アノマリーはクリアしたわけですが、
トレーダーにとってはちっともおいしくない相場展開で週の取引を終えることとなってしまいました。
※ドル円週足
チャートで見ますと週足は完全にフラッグの中に入っており114円台中盤から上はなんと昨年の4月以降一度も上抜けしていないことがわかります。
週明けからは政治的なイベントが目白押しとなることから、このフラッグをどちらかに抜けるのか依然としてレンジの中で限られた推移をするのかどうかに大きな注目が集まりそうです。
政治イベントで相場の方向を断定するのは危険
まず米中首脳会談はとりあえず最悪の状態は先送りとなり、年明けからまた話し合いすることで一旦関税の税率上げが回避されることととなりました。
次に今秋はOPEC総会が6日開催されますが、ここで減産合意が図られれば一旦は何度も50ドル割れを示現しているWTIの先物価格も多少は元に戻る可能性があり、逆に話がまとまらなければさらに下押しのリスクがでてくることになります。
足元では原油価格の下落をあまり株式市場も意識していないように見受けられますが、確実にインフレには影響を及ぼすものになるだけに、ここからの動きは非常に大きな関心を持ってみられていることは事実です。
そして週明けには英国のBREXITに関する議会の承認のための投票が行われますが、こちらも一旦は否決となる可能性は否定できず、それなりの相場の荒れが想定されるところです。
こうした政治イベントはニュースが先出しで、ヘッドラインで関連情報を流すことからそれが事実と確認されなくても相場が大きく動くことがあります。
関係者が発言しても上下に猛烈にぶれて挙句の果てに結果は、また逆のものということも十分にありますから、こうした相場に関わるのが大好きで仕方ないという方は止めませんが、それ以外はエントリーしても気がつくと踏みあげられたり投げさせられたりでほとんど儲からないことが多くなるためかなり注意が必要になりそうです。
とくにBREXIT関連は情報が二転三転するリスクはかなり高く議会承認の前にも相当様々な報道が流れますので、巻き添えを食わない工夫が必要になりそうです。
事前の相場予測も当たらないことが多いですから、くれぐれもポジションを先に保有して待ち構えるという行為だけは避けておいたほうがよさそうです。
12月ドル円相場の特徴
12月の場合、上旬は実需の需給関係からどうしてもドル円についてはドル高になりやすく、今年も本国投資法の支えもあって高くなる可能性はかなりありそうです。
しかし中盤になるとそうした需要も一巡して今度はリバランスから保有している円売りドル安のポジションを巻き戻す動きが出始める点に注意が必要です。
ちょうど19日が今年最後のFOMCになりますから、これをきっかけにして投機筋が買い持ちしてきたドル円をいったん反対売買してクリスマス休暇に突入する可能性は否定できず、こうした動きにも相当注意していくことが求められます。
今年についてはこの19日を過ぎるともはやお仕舞いという感じがかなり強くなりそうで27日になると既に新年相場がスタートすることになります。したがってトレードができるのは、やはり月の前半だけで後半はゆっくりお休みをされることが理想的になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)