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過度に弱気が進行しすぎる足元相場の不思議

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例年この時期は株もドル円も年末ということから、それなりの上昇を果たすのがアノマリー的な動きになっているのですが、今年はどうやらそうした慣例がワークしないようで、市場は妙にリスクに過度に警戒する相場が延々と継続中です。
金曜日のNY市場も米株主要3指数は軒並みマイナスに転落で、日々600ドル上げては800ドル下げて、さらに下げたかと思ったら、買戻しがでて結局週末は550ドル超の下げという、いわばバブル相場の最後のあたりを彷彿をさせる荒い値動きを展開中です。
これではとてもではないですが、年末ラリーを規定しても下落のほうのラリーしか示現しなさそうな状況で、為替も残り少ない年内の取引にほとんど期待がもてなくなりつつあります。

米債逆イールドも市場は意識しすぎ

米債の一部に「逆イールド」がではじめた件も確かに過去の事例から考えれば注意すべき指標であることは間違いありませんが、かと言ってこの逆イールドが現れてから即座に相場が暴落したことはこれまでにはまったくありません。

注意はすれども暴落を恐れてすぐに弱気になるような相場状況ではないと思われるものの、市場は妙に敏感に反応して必要以上の相場下落を示現させてしまっている感があります。既に「逆イールド=暴落接近」のサインと誤解されているのでないかと思われるほど、市場の反応は悪化しています。
とくに裁量のトレードを行っている市場参加者にとってはよく理解できないセンチメントの醸成がなされることが非常に多くなっており長く相場に絡んでいるアナリストでさえも理解に苦しむ相場が継続中です。
恐らくAI実装のアルゴリズムが幅を効かせることによってこれまでの人中心の相場感と異なるものが走り始めて、これが人の理解のほうを大きくゆがめ始めているのではないかと思われますが、いくらこうした状況をおかしいと批難してみても、なんら相場から儲けを得られる訳ではありませんから個人投資家も独自の判断材料で臨むしかないのが足元の現状といえます。

相場が総悲観の状況では暴落はしないのが世の常

そもそも相場はここ40年ぐらいの動きを見ていても、市場参加者ほぼすべてが悲観的な状況に陥っているときにはほとんど暴落は起きないもので、逆に皆が総楽観で景気がいいといったことを口にしたときにはすでにピークアウトが接近しているわけで、こちらのほうがよほど危ないのがこれまでの相場からも感じられる次第です。

リーマンショックからすでに10年を超えているだけに、暴落に対する恐怖心が異常とも思えるほど市場に蓄積していることはどうやら間違いなさそうですが、常に悲観一本やりのディールでは儲けにはありつけません。
ロングをとった場合には大幅下落のリスクが高まっていることは事実ですから、日ごろ以上にストップロスやトレーリングストップの設定を心掛けるべきですが、FXに関してはこうした個人としての損失防止策さえしっかりとれていれば、あまり怖がり過ぎることはないわけです。
ストップロスは値が飛んだときにワークしないリスクに巻き込まれないために比較的浅めに置くとか、上昇相場で保有しているポジションはしっかりトレーリングストップを設定して下がり始めたらすぐにリカクするといった丁寧な売買を心掛けることが今のところは大切であると思われます。
日頃から暴落を意識して売買していくのは決して悪いことではありませんが、ここから常にショートで臨むなどというあまりにもバイアスのかかり過ぎた売買を続けてしまいますと、妙に踏みあげられて大損をすることもありそうですから、過度に相場を恐れないことも重要です。
問題が起きるとすればやはり来年春以降になるのではないでしょうか。それまでは用心しながらもフレキシブルな売買を心掛けたいものです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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