読み込み中...本日はクリスマスイブということで国内は天皇誕生日の振り替え休日でもありますから、世界的に相場は開いていても殆どだれもまともには取引をしない閑散状態が継続することと思います。
今年も残すところあと数日ですから、実質的には2019年の相場を考えるタイミングに差し掛かってきているわけですが、皆さま1年間の取引成果はいかがだったでしょうか？
今年は2月に株式相場が大きく下落し、ドル円もその後104円台まで押し込まれたもののそこからは下落することなく夏場までは比較的堅調に推移する展開となったのは御存じのとおりです。
しかし中間選挙が近づくにつれて例年の中間選挙年のアノマリーのような動きはみせず、ほとんど調整しないまま株価も上昇して10月初旬にピークを迎えたあと大きな下落がはじまり、年末まで非常に方向感がはっきりしない相場継続することとなってしまいました。
ドル円もユーロドルも動きはきわめて緩慢で、株が下げても狭いレンジを継続したのが印象的でしたが、年末に関しては通常の需給相場からひっ迫するドルに合わせて一定の上昇がはかられるかと思いきや、FOMC後に110円台にまでまさかの下落をはたすこととなってしまい、年間の値幅は10円にも満たなかったわりには難しい相場になってしまいました。
為替の場合は「ゼロサムゲーム」ですから損した人間がいるということはその分儲かった輩がいるのでしょうが、本邦の個人投資家については夏場のトルコリラ円の大幅な下落で強制ロスカットに巻き込まれた方も結構多かったようです。
その後の停滞相場では取引を減らしてしまい、あまり美味しい思いをすることもなくあっという間に年末を迎えてしまった方も多かったのだろうと思います。
ヘッジファンドも散々の運用成績
今年は、ヘッジファンドも例年にも増して低い運用成績に直面しているようで、多くのところがプロによる分散投資を行っていながらもマイナスという非常に厳しい状況に追い込まれているようです。
ヘッジファンドのパフォーマンスを分析するHFRが開示している大手のグローバルヘッジファンドの運用成績指数HFRXは年初来のパフォーマンスがなんと「マイナス6.38％」ということで、ほとんど意味のない運用成績がでており、おそらくその一部は解散などに追い込まれる可能性もあり、状況は深刻です。
とくに米株が下がり始めた10月以降の成績はみるみる下落しており、相場の下落では本来ヘッジするはずのヘッジファンドがそのまま損失を食らっていることがよく理解できます。
理由はそれぞれにあるのでしょうが、レイダリオがはじめた手法として有名な「リスクパリティ戦略」に多くのグローバルファンドが参入したものの、すべてのファンドがレイダリオのような高いパフォーマンスを得られずに終わってしまっているという手法の類似性とコストの増加という問題もあるようです。
なによりFAANGだけに集中投資していれば抜群のパフォーマンスが得られたここ数年の相場状況が今年は大きく変化してしまい、投資の稼ぎ頭を失ってしまったというのがもう一つの理由になっていることが考えられます。また今年に関してはあらゆる資本市場の投資パフォーマンスが大きく落ち込んでいることから、分散投資自体の妙味も薄れていることは明らかなようです。
このようにプロがやっても儲からないわけですから、人の市場予測を見ながらレベル感だけで勝負する個人の裁量取引が儲かるわけはなく、AIやアルゴリズムが席捲する今の相場の中でどのように戦っていくかは真剣に考え直す時期が迫ってきているようです。
12月の相場を振り返るとさらに元気がなくなりそうではありますが、このお休みにリフレッシュして新たな投資手法や考え方というものを修正していくことが重要になりそうな年の瀬です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
