英国議会は29日、BREXITを巡る複数の修正案の採決を行いました。
結局いくつも出された修正案はほとんどが却下され、北アイルランド国境に関わるバックストップの代替えを求めることを盛り込んだブレイディー議員の修正案が賛成多数で可決され、メイ首相はまたしてもこれをベースにEUと交渉するはめになってしまいました。
さらに「合意なき離脱」の拒否を盛り込んだスペルマン議員の修正案も可決され、どういった出口を見出すことになるのか益々判らない状況に陥ってしまったように見えます。
最善の離脱案を自ら模索してEUに提示する部分が完全欠落
この議決でなんとなく前に進んだような錯覚に陥る方も多いと思いますが、実際のところはEUに時間稼ぎの交渉をすることだけが決まり、迂闊に合意なき離脱も行わないことが決まってしまっただけで、なんら合理的な離脱内容が突き詰められていないことが改めてわかる次第です。
他国の議会のことですからとやかく言う話ではないのかも知れませんが、散々時間と使った挙句の結論がこれかというのはかなり失望しますし、世界中を見渡しても議員を名乗る連中のレベルはかなり低くなっているということを改めて感じさせられます。
憶測だけで上げたり下げたりするだけのポンド相場
ポンド相場はこの間、結構上げたり下げたりしていますから、バイナリーオプション的な発想でどちらかを予想して買ったり売ったりすれば一時的には儲けをとることもできるかも知れません。
しかし、チャートで見てもその通りに動くとは限りませんし政治的に全く逆方向に動いてしまうこともあるため、FXとして積極的に取り組むべきかどうかはかなりよく考えて実行に移すことをお勧めしたいと思います。
とくに迂闊にポジションをとると投げと踏みの応酬に巻き込まれるだけになってしまいますから、短期間に証拠金を大きく減らすだけになるリスクも高くあまり愉快なトレードとは言えなくなってきています。
また市場参加者にも飽きがきているのか、徐々にポンドだけのローカルカレンシーイシューとい雰囲気が強くなりほかの通貨ペアには影響が及ばなくなりつつある点もきになります。
すでにすべての決定プロセスは政治的な闘争の場だけで繰り広げられていますから離脱内容の合理性もはっきりしなくなっています。
どうしても参加されたい方はよほどタイトなストップロスをおいて一定の損失以上の損害を食らわない工夫が必要になると思われますが、個人的にはもう積極的に関与しても足元の時間帯は意味がないと感じる次第で、おそらく先にいくとポンドでもしっかり利益にありつけるタイミングが示現するのではないかと思っています。
現状ではドル円もユーロドルもほとんど動かないことから、ポンドのようなボラティリティの激しい動きをする相場はとかく魅力的に見えますが、実際連勝できている人は意外に少ないとも思われ、政治だけで上下する相場には積極的にのっていく気がしないのが正直なところです。
またニュースのヘッドラインだけで動くアルゴリズム売買も相場をかく乱する要素になっており、必要以上にオーバーシュート気味に動くやり方も非常に気になるところです。
1月正月の暴落で証拠金を失ってしまいまともに市場に復帰できていない方も多いようですが、くれぐれもこうしたポンドの上下振幅で損失を一気にとりかえしてやろうとは思わないほうがよろしいのではないでしょうか。
だいたいろくなことが起きないのが政治相場の特徴です。今年の相場はまだまだボラティリティが高くなりそうで、大きな利益機会はこれからもたくさん遭遇できそうです。焦って余分な売買だけはされないことをお勧めしたいと思います。
(この記事を書いた人:今市太郎)