当初期日とされてきた3月29日のBREXITまであと1か月強しか残っていない時期がとうとうやってきました。英国はどうするのかよくわからないままに期日だけが日々近づこうとしており、BREXITをネタにポンドで一儲けしようと思っていた向きにとっては、面白味のない相場展開が継続中です。
当初はもっとドラスティックな展開を予想していたわけですが、どうもはっきりしないまま2月もいよいよ終わりに向かおうとしている状況です。
■ポンドドル日足
ポンドドルの日足でみますと1月25日に大きく戻りはしたものの、またそこからずるずると下げる展開を見せていますが、BREXITの結果がはっきりしていかないことから、売りが加速するとい状況でもなく、迂闊にポジションをもつと投げ踏みの応酬に巻き込まれて、ちっとも儲からないという状況に陥りかねず、全力をあげて取り組むというべきタイミングにはまだ至っていないことがわかります。
期限は決まっているもののここからどうものごとが決定していくかは全くよくわかりませんから、エントリータイミングを見計らうのもなかなか大変で、ポンド円に執着心の高い本邦の個人投資家は延々と売買しているようですが、それ以外の向きにとってはなかなか手掛けづらい通貨になりつつあるようです。
結局新たな代案はできないままの状況
年明けから再開した英国議会では様々な法案が可決されたり否決されたりしているようですが、突き詰めた考えるとEUとしっかり交渉のできるような代案があるわけではなく、結局のところ年末までにメイ首相がEUサイドと暫定的に合意を取り付けた離脱案以外には着の身着のままの合意なき離脱案しか用意されていないのが現状となってしまっています。
2月216日にはプランCを発表するというスケジュールも残っていますが、これが本当にワークするのかどうかはよくわからず、結果的に3月21、22日はEUサミットが開催されるのを待って、29日までに残された数日でもともとのメイ案を可決するか合意なき離脱かを迫って一点突破しようというのがメイ首相の腹積もりのようにも見えてきている状況です。
果たしてそのようなやり方でBREXITが意味のあるものになるのかどうかはよくわかりませんが、たとえBREXIT成立となっても問題はかなり残ることになるでしょうし、合意なき離脱となればさらに厳しい状況に追い込まれるので、最終的にポンドは結構売り込まれることになるのではないかという感じがしてなりません。
したがって、3月末までのプロセスには関わらずに結果が判明したところで、うまいエントリーポイントを模索するのでもそれなりの利益がとれそうな雰囲気になり始めています。
だんだんとポンドだけの問題になりつるある
BREXITの国民投票の結果がでたときには、とにかくあらゆる通貨ペアを揺るがす世界的な大問題という印象のあったポンドの下落ですが、時が経つにつれて市場にはかなり飽きがきたことも手伝ったのか、だんだんとポンドというローカルカレンシーイシューへとグレードダウンしつつあるようで、だんだんほかの通貨には影響を及ぼさなくなりつつある感じがしてなりません。
ということで常態的にポンドの取引をしない個人投資家にとってはますます積極的に触りたいとは思わない通貨になりつつあるようですが、3月末を巡ってはなんらかの結果もでることになると思われますので、いましばらく我慢強く様子を窺っていきたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)