FXで常態的に売買されている方はすでに気づかれていると思いますが、この1~2週間ドル円をはじめとしてユーロドルもユーロ円もほとんど動かない膠着状態が継続中です。
先週は豪ドルだけが上げたり下げたりする場面もありましたが、基本的に為替市場全般に大きな動きはなく非常に膠着した状況となっています。
ドル円は一段と狭いレンジを形成
足元の相場はほぼすべての通貨ペアでぱっとしない動きを延々と継続中です。その中でもドル円は先週本当に50銭幅程度の狭い領域を行ったり来たりしてまったく売買妙味のない時間を過ごしています。とくに週後半はその値幅がさらに収束して手出しのできない状況に陥っています。
過去を振り返ってみますと2014年2月から6月ぐらいまで延々と動かない相場がドル円に示現したことがありますが、なんとなくそれに近い動きになるのではと非常に心配される状況です。
今週も狭いレンジ継続か
将来の為替相場を予測する通貨オプション市場から算出される予想変動率、いわゆるインプライド・ボラティリティーは1週間物が約5%と、2017年12月以来の低さとなっており、今週もかなり低調な相場が継続しそうな雰囲気です。
投機筋も実需も大きくポジションを傾けていませんから、足もとの水準からドル円がいきなり上昇したり下落したりする可能性はかなり低くなってきていることがうかがわれます。
こうした膠着相場に至った背景としては、米中貿易戦争の決着がはっきりせず、いたずらに交渉が長引いて何も出てこないことがあります。
また、英国のBREXITもかなりひどい相場展開が予想されたものの、こちらもなんら進展がないままに3月の期日を迎えようとしており単純に交渉延長だけが期待される状態になっているのが相場膠着の大きな理由となっているものと思われます。
先週末段階で米中は為替について合意を見たとしていますから、人民元安は一旦止まるものと思われ、多少ドルが売られる展開も想定されそうですが、ことドル円に関してはこうした動きで大きく円高に走るとも思えない状況で、動きは期待できません。
逆張りのデイトレに枚数を増やして対応か
ドル円はいずれ上方向か下方向に抜けるものと思われますが、現状では上方向に大きく抜けることは想定しにくい状況です。
したがってこうした狭いレンジ相場ではとにかく天井と底で枚数を増やして逆張りで対応する以外、利益を得ることはできないのが実情で10銭や20銭という薄利でもとにかく延々と相場に残って売買する以外にはこの手の相場で利益を確保する方法はなさそうです。
果たしてこうした売買法が正しいのかどうかには疑問も残りますが、休むも相場と称して相場から遠ざかってしまいますとやはり感覚が鈍りますし、無理して積極的な投資を行わないとしてもなんらかの形で相場に参加し続けることは重要です。
今回の膠着相場が2014年のようなことになるかどうかはまだわかりませんが、長期的に膠着して相場との接点を失ってしまいますとやはり感覚も鈍ることになりますから、少額であっても市場に参加し続けることをお勧めしたいと思います。
3月も後半になればまた新しいテーマが市場に登場してくることが予想されますので、利益機会に恵まれる可能性もでてくるものと思われます。
現在米国の株式市場は年末の下落を完全に戻す展開となっており、さらに上値を狙うといった期待も高まっているようですが、取引ボリュームは減っております。
しかもこれまで市場をけん引してきた「FANG」銘柄の価格は戻っておらず、ヘッジファンド勢がほとんどこの上昇相場に興味をもっておらず現金化してポジションを減らす動きが顕在化しています。
為替の膠着もこうした投資市場全体の動きと少なからず関係があるはずで、相場の流れの変化にも注意していきたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)