読み込み中...先々週あたりから週を通じても50銭程度しか動かないといったウルトラ膠着状態であったドル円でしたが、先週は後半に向けて結構大きな動きがでることとなり、ぎりぎりNYタイム後半で112円のせを実現することができました。
週明けもこの流れは一応継続するものと思われますが、これがどこまで上昇できるのかが市場の共通した注目点になりそうです。
112円から上はまだポジションがかなり残った状態
25倍のレバレッジで売買をしている本邦の個人投資家の場合112円から上にポジションを置いて104円近くまで暴落してそのままポジションを維持できた人はほとんど皆無と思われます。
しかし、投機筋はそれでも延々とドル円のロングを保有し続けている状況があるようで、ここからのドル円はそう簡単には上昇しなさそうなレベルにまで到達していることがわかります。
ただ、為替はショートがたまればここからでもさらに上方向に延びるリスクは当然ありますから、ポジション次第で113円に近いとろこまで押し上げられてしまう可能性も残る状況です。
2月15日現在まででてきたIMMのポジション動向は、大口投機筋の円ショートが2月初旬に比べると若干増加していますが、大きな動きにはなっていないことがわかります。
IMM大口投機筋ポジション（ブルーの棒グラフ）
2月15日現在実のところドル円は、投機筋も実需筋も大きくポジションを保有する通貨ペアではないことがあらためて認識できる状況です。
米朝首脳会談不発では若干ドル安円高に
先週まさかの不発に終わった米朝首脳会談の結果を受けては若干円高方向に動いたドル円でしたが、事前の予想通り政治的なネタだけに大きく為替に影響をすることはなく、無難に終了することとなっています。
今週は米株市場がさらに上を狙えるのかどうかにも関心が集まりますが、ファンダメンタルズ的に強い裏付けがあって上昇する相場というわけではありませんから、なんらかの事象をきっかけにしてすぐに反転するリスクは常に抱えていることを意識しておく必要がありそうです。
昨年は3月4日に年間の最安値をつけてから急激に上昇過程をたどることとなったドル円ですが、今年も同様に春先から上値を本当に目指せるのかどうかも大きなポイントです。
日米通商協議がはじまればいきなりドル安に注意
USTR代表のライトハイザーは先週、3月から日米の通商協議を開始したい旨を発言しています。当然為替に問題があると明言しており、米朝交渉を終えたトランプもなぜか日本との交渉についてわざわざ触れて、日本は為替に問題があることを再指摘しています。
したがってこの協議が本格開催されますとそのタイミングでドル円は大きく反転下落するリスクがありそうで、今週あたりはあえて飛び込み台を高くする動きを見せることになるのかもしれません。
実質実効レートベースでみたときにドル円の現状水準は15％以上高いとなると100円方向に突き落とされるリスクもかなり高まりますので、上下両方向を見据えた取引姿勢が重要になりそうです。
チャートを時間軸でみますと年明け104円台をつけたところからすでに7円以上、上昇しているだけに通常のドル円のトレンドサイクルとしての移動幅をクリアしていることから考えて、ここから一方的にドル円が上昇するためにはさらになにかほかの燃料が必要となります。
日米交渉というネガティブな下落燃料を凌駕できるネタがあるかどうかにも考慮していく必要がありそうです。週末はまた雇用統計が控えていますが、FRBが金利引き上げを明確に後ずれさせているだけに反応がでるかどうかはよくわからない状況といえます。
いずれにしても相場はようやく動き出していますので、なんとか流れに乗ってついていけるように頑張りたいところです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
