消費増税先送りなのか実施なのかさっぱりわからない時間が続きましたが、今回のG20蔵相会議で麻生大臣が再度秋の消費増税を説明したようで、どうやら安倍政権は三度目の正直で秋の消費増税を決行する構えのようです。
となると再々延期で衆参同時選挙も見送ることになりそうですが、果たしてこの選挙勝てるのでしょうか?
まあ選挙のことはどうでもいいとしても、安倍首相や麻生大臣が毎度寝言のように口にするように国内景気はゆるやかになど回復しておらず、妙な5%ポイント還元などを実施しても景気が上向くはずもない状況で、景気を先取りする株式市場のこの秋相場は消費財銘柄を中心として散々なことになる可能性が俄然高まりつつあるようです。
疑惑の殿堂こと内閣府がまとめた国家統計でも景気は明らかに悪化しているというのに、なぜここで無理やり増税を断行するのか今一つよくわかりませんが、これで増税を実施すれば国内消費は相当なダメージが出る可能性がありそうです。
巷ではもはや過去込み需要すら出ないのではないかという話も出回っており、ここで増税恐慌するのは政権の命取りではないかとさえ思う次第です。
問題はFRBの利下げ
皆さまご案内のとおり、パウエルFRB議長がすっかり宗旨替えして利下げを完全に見込んだ発言をしてしまったことから、今度はいつ利下げするのかといった催促相場が改めてやってきそうな世界です。
6月の利下げはないとしても7月についてはすでに8割以上が利下げを織り込んでおり、しかも0.5bpの利下げを想定する確率も20%超ということでもはや利下げ実施は不可欠な状況になりつつあります。
Data CME
しかしここで注意しなくてはならないのは2000年も2008年の暴落前も株価は堅調に上昇していたのにFRBが利下げへと舵を切った途端にそれまでの逆イールドが解消し、その直後に相場が暴落しているという点です。
今のところ米2年債と10年債の逆イールドは示現していませんが、状況が過去2回の大きな相場下落とよく似てきているのは事実であり、FOMCの利下げが株式相場を下げるスイッチになるリスクがかなり高まりつつあります。
仮に7月に利下げが実施されるとなったときには日本の参議院選挙とも妙なリンクになるリスクがあり、ここから日米ともに株価が大きく下げる危険性について意識しておく必要がありそうな状況です。
もちろんこうした相場の下落などは正確に予想することなどできませんからあくまで可能性として意識するだけの話になりますが、妙に材料が揃い始めている点が気になります。
今年前半に静観を決め込んできたファンド勢も夏から秋にかけては動きを活発化する可能性がでてきており、とうとう相場に大きな変動が訪れるリスクを気にしなくてはならない時間帯に差し掛かってきていることがわかります。
足元の相場でいいますと国内は選挙前ということもあってここからどんどん下げに転じる可能性はかなり低いとは思いますが、米株がトランプのように日本の政治状況に合わせて下げないとは限りませんから常に最大限の注意を怠らない努力が必要になりそうです。
今年の9月ですでにリーマンショックから丸11年ですから、もはやこのあたりからの相場はどこで大きく下げても全くおかしくはない状況ですが、これまでのように取り付く島もないような暴落になると断定するわけにもいかず、あくまで現実の相場を見て判断することも非常に重要な時期になりそうです。
なにもなければそれまでの話ですが、くれぐれも気を付けたい時期が到来します。
(この記事を書いた人:今市太郎)