米国大統領選挙まで残り3週間となりましたが、この間トランプまさかの新型コロナウイルス罹患と早々の復帰といったまさにオクトーバーサプライズを経てここから選挙結果がどうなるのかが非常に気になる時期に差し掛かってきました。
米国のメディアは、とにかくバイデンの支持率が高まり圧勝を予想する向きが多くなってきていますが、果たして本当にそうなのかという問題が常に付きまとう状況です。
上の支持率推移は米国外であるAFPが取りまとめた支持率ですが、調査機関が米国ということもあるのか、こちらもバイデンの支持率はかなり高くなっており、とくにコロナ感染でトランプの支持率はさらに落ちていることが見えてきます。
当初は同情票が集まるのではないかといった見方もありましたが、結局危機管理能力の低さのほうが嫌気されている状況のようです。
しかし依然としてあるのがこうした支持率が本当なのかという問題です。
どうやら米国では固定電話に対して自動的に応答できるような調査装置が利用されているのですが、日本同様固定電話を持っているのはもはや一部の構成者しかいないようで、そもそも調査対象にバイアスがかかり過ぎているという大きな問題もあるようです。
また米国の大手メディアは軍産複合体の一部であり、もともとトランプとの親和性は全くありませんから、普通にしても支持率をいじって発表している可能性は否めず、そのまま結果を真に受けるわけにはいかないというのがもっぱらの評判になっているようです。
4年前のこの時期もヒラリークリントン圧勝がメディアに飛び交った
思い起こしてみますと、4年前の今ごろの時期もヒラリークリントンはトランプに大きな支持率の差をつけており、酷いメディアでは8割がヒラリーといった報道もでていたことが思い起こされます。
結果は皆さまご案内のとおり得票率こそヒラリーが上回りましたが、結局選挙人の獲得数は確実にトランプということになりヒラリーはあっさり負けを認めざるを得なかったことが事実として浮かび上がります。
それほど事前の予想というものは当たらないもので、現状のトランプ大敗予想を本当にどこまで信じていいのかという疑問が常に付きまとうのが実情です。
もちろんヒラリーがそうだったからバイデンも同様であると断定するのは大きなリスクが伴います。
しかしこれまでみてきたところバイデンはトランプよりはましという以外は、政策的にもカッティングエッジは感じられませんし、オバマが登場した時の国民の期待感といったものを半分ぼけかかっているこの老人に感じることは全くできない状況です。
ウォール街はどちらが勝っても株高を予想する楽観姿勢
ウォール街は当初バイデン政権になると巨額の法人税がかかることになり、大手の上場企業のうちIT系と消費財系の企業は軒並み二桁の利益減少が見込まれると警戒していました。
GAFAをはじめとするIT企業は米国株式市場に残されたごくわずかなインセンティブであり、バイデンも無闇にこうした企業をつぶしにかかることはできないというかなりの楽観論が示現しはじめています。
さらに新型コロナウイルスの感染が収まらないかぎり、とにかく政府とFRBが財政政策と緩和措置を次々と繰り出してくるので、簡単には株価は下がらないというみ方も広がりを見せています。
ただこの楽観論は大統領がすんなりと当選を決めた場合という条件つきのようで、11月3日の選挙からかなり長い時間大統領が決定せず、空白の時間が延びれば伸びるほどその間に相場が大きく下落する可能性があることも意識しているようです。
冒頭にも書きましたがここからの3週間については想定外のことがさらに起きる可能性もあり、選挙結果はまだまだ分からないというのが正直なところで選挙結果を断定してトレードするのはまだ危険な状況といえそうです。