読み込み中...今年の9月になればなんとリーマンショックの暴落から丸11年大きな暴落がないままに相場が推移するという過去にはない状態が継続中です。
すでに米国の景気拡大は120か月を超えているわけですから、ここ10年主要国の中央銀行が連係しておこなってきたバブル相場の力がいかに強いものかを改めて思い知らされる次第ですが、どうやらこの中央銀行主体の相場維持もいよいよ瓦解がはじまりかけていることを感じさせられる先週の相場となりました。
株価はFOMCを挟んで大きくくずれはじめており、これが大幅な下落になるのかどうかが注目されます。
すでに7月23日にはヒンデンブルグオーメンも点灯しそれなりの相場下落にかなり市場が注意しはじめており、こうした注意自体が相場を下げさせるリスクにもなりかねず週明けから来週にかけてはかなり緊張感の高い状況が示現しそうです。
ドル円は想像以上の激しい上下動
一旦はFOMC以降にCTA系をはじめとするファンド勢がかなり積極的にドル円を買い上げたようで109円を突き抜けて109.300円レベルまで上昇したわけですが、さすがにそこからは続かず逆に1日の東京タイム以降で利益確定売りがではじめることとなります。
しかし相場全体としてはまだショートが溜まっているように見えたことから押し目として買い向かった方も多かったと思いますが、逆に高値からは売り浴びせをしたファンド勢も相当多く存在したようで行きかえり利益を確保するという勇ましい連中にいいように振り回された結局108円台初頭まで押し戻されてしまいます。
ドル円はその後2日午前2時過ぎのトランプの対中国関税実施ツイートで完全に粉砕されてしまい、2日の雇用統計発表前にはいかにも下方向を窺うかのように106.800円付近をうろつく始末です。
その後一瞬CMBCの誤報でトランプが関税実施を柔軟に考えているといったヘッドラインが出たことで107.280円近辺まで吹き上がる場面もありましたが、結果的にはこれがもっともいい売り場となってしまいドル円は106円台中盤で週末の取引を終了しています。
FOMCを挟んで実に2円80銭ほどの上下動であったわけですから最初からショートで挑んだ人は即座に損切りを余儀なくされたでしょうし、ロングと思って相場に入った向きも相当うまいところでやめないかぎり結局損を背負い込むはめになったものと思われます。
週明けはさらに下方向を掘る可能性
ドル円1時間足さて、過去の解説はいくら行っても儲かるわけではありませんから、いよいよ気になるのが週明け以降の相場ということになりますが、すでに106.800円を下抜けして終わっているだけに週明けは105円以下を狙いに行くかどうかに注目が集まりそうです。
一気に下落するかどうかはまだわかりませんが、正月3日にアジアオセアニアタイムにつけた104円台（詳細は業者によってまちまち）を東京タイムでつけにいく可能性はかなり高そうで、ここからの安易な買い向かいは相当注意すべき状況ではないでしょうか。
いまのところ日米の通商交渉はかなり遅れているようで8月に入ってすぐにどうこうなる可能性はかなり低くなってきているようですが、それでもトランプが為替になにか言及すれば相場の大崩れはFOMC以上の威力を持つわけですからとにかく上方向よりも下方向を注意するのが重要な時間帯です。
政治という材料だけでみますと、ドル円はごく近い将来的に100円を目指すことも十分に考えられそうですが、一気に下がるわけではなさそうなのが難しいところで、上下両方向をとることを考えるよりはしっかり戻ったらとにかく売りから入るといった一貫したスタイルで臨むことのほうが安全な取引になりそうな気配です。
これまでおとなしかったファンド勢はポンドの売り浴びせからはじまって夏休み返上で相場に乗り込んできているようですので、我々個人投資家も相当緊張感をもって対応していきたい状況です。まさに今年の正念場となっている相場です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
