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想像以上にまずい状況の香港~米中対立の新たなる火種か

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香港が想像を絶する内戦状態に突入しています。最初のころのデモは市民総参加ということで動員数は多かったものの、デモとしては傘をさすなどかなり穏健な内容であったはずですが、もはや内乱に近い状態でネットにはかなり厳しい映像が流出しはじめています。
こうなると中国が人民軍を投入して制圧するまでにはそれほど時間はかからなさそうで、すでに香港空港がすべての便のフライトをキャンセルするなど通常の都市機能を失い始めている状況です。
ここからは中国政府の動きに大きな関心が集まります。

香港の金融市場と不動産市場から資金が逃げ出すのは時間の問題

一部の富裕層は最初に騒動が起きたときから香港からかなりの資金を外に逃がす動きに出たようですが、ここまで事態が深刻化するとさらに大量の資金が香港の金融市場からFLY TO QUALIYで逃げ出すことが予想されるだけに一両日中の金融市場の動向を注視する必要がでてくるものと思われます。

また人民元自体にも影響を与えて人民元安が進むリスクも高まりそうで、いよいよ予断を許さない状況が差し迫ってきているようです。
香港のマーケットはシンガポールに比べれば小さいものですが、中国の玄関口な機能もはたしているだけにここが大きく崩れだすとアジア圏のマーケットに少なからず影響を与えることになりそうで、そのインパクトは決して小さいものではない可能性が高まります。

米中の対立の火種として機能する可能性

これで中国が人民解放軍を投入して相当な死傷者や逮捕者を伴う制圧を行った場合、西側諸国がかなり厳しい対応をしてくることは容易に想定できる状況で、内政干渉であるとする中国に対し民主化を維持するよう米国をはじめとする国々がプレッシャーをかけるような事態になれば金融市場はグローバルで大きく下落のリスクに直面することになりそうです。

国内ではこれまでこうした状況はほとんど報じられてきておらず、吉本の件や小泉何某の婚姻話で国内メディアはもちきりの状態でしたが、実は相当クリティカルな状況に直面していることがわかります。
今週は本邦勢が夏休みということで相場はかなり薄い状態が続きますが、大きな動きがでればそれだけで円高が示現しやすいだけにここからは相当注意深く取引していくことが求められそうです。

ドル円は104円台以下のどこまで下押しするかがポイント

すでにドル円は105円割れすれすれのところまで来ていますが、この状況では104円台への突入はもはや時間の問題のようで果たしてどこまで下押しするのかが大きなポイントになってきています。

香港の問題はこれまで為替でもそれほど大きな材料となってきていませんでしたが、それだけにこれを織り込み始めると相場は思わぬレベルまで円高が進む可能性がありそうで、とくにリスク回避通貨としてアジア圏では円がもっとも機能しているだけに想定を超えた下押しが示現する危険性はかなり高そうです。
香港に関して日本政府が何か手を打てる可能性も相当低そうで、遺憾の意を表明したぐらいではドル円の下落が収まるとは思えない状況です。状況次第では相当為替にも厳しい影響がでますので、取引をされる方は十分に注意して、無理をしない方法を選択することが重要です。
とくにロングで買い向かうような場合にはタイトなストップロスを置いて損失が拡大しないように事前準備することが求められます。そもそもここからレベル感だけでドル円をロングしたりするのは危険ですから、当分手を出さないというのが一つの懸命な選択肢になりそうです。
事態はそのぐらいクリティカルなところに差し掛かっている状況です。
(この記事を書いた人:今市太郎
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