米国のFOMCだけに注目が集まる状況ですが、19日の早朝の政策決定後に待っているのは日銀の政策決定会合ということで一旦FOMCで動きがでてもそれとは逆の方向に動く可能性もあり、なかなか神経質な時間帯を過ごすことになりそうです。
FOMCのほうはサウジアラムコの爆撃事件のおかげで経済に与える影響から緩和は必至という見方が強まっていますが、さんざんトランプに脅かされ、馬鹿呼ばわりまでされているパウエル議長の先行き発言次第で相場が動きそうです。
さらにそれをうけてトランプがなにか言い出した場合、たとえば為替介入などを口にするとまたしてもFRBよりトランプ発言で相場が猛烈に動くリスクがあり、かなり注意が必要になりそうです。
また問題になったサウジの爆破事件も2~3週間で元に戻るといった観測もあり結果的にあまり大きな影響を市場に与えなくなってきているところも気になるところです。
FOMCの結果の動きと逆行する可能性がある日銀会合結果
仮にFOMC後債券金利も下落する形になればドル円は一旦下方向に押し戻されることが考えられますし、7月の会合後東京タイムで上昇しそうになりながら失速したことも記憶に新しく、その後の動きはかなり微妙なものになりそうです。
そしてさらにそこに新たな動意を与えるのが日銀の政策決定会合結果ということになります。
大方の市場予測ではこのタイミングでマイナス金利の深堀はしないのではないかという見方が強まっていますが、なにもしなければ米欧の中銀との相対的な関係において円高になりかねない状況であること、また消費増税を控えていることなどからなにか手立てを出してくる可能性も十分に考えられ、両方向に動くことをあらかじめ想定しておく必要がありそうです。
短期金利のマイナス金利化が実現してから3年半ですが、本当にこれに効果があるのかについては日銀が自画自賛するわりには市場の反応は冷ややかになっており、地銀を中心に体力のない銀行がつぶれかかっていること以外にはなんらその結果の動きがみられない状況です。
企業の内部留保もGDPの1%を超えているわけですから、少なくとも上場企業には特段プラスに働いているとも思えない状況で、すでにETFや国債の買い入れをこの段階で増やすことができない以上、相場にプラスに働く緩和措置を持ち出すことがかなり難しくなっていることを感じさせられます。
先日のECB理事会後のドラギ改憲直後からのユーロの動きをみてもわかりますが、大きく売られてまたもとに戻って逆に最後はユーロ高といった動きを思い出すと初動と異なる結果になることも考えられるだけに結構な難しさを伴いそうです。
FOMCの結果とどちらが強く市場に影響するかにも注目
立て続けに中銀の政策決定会合が行われるというのはボラティリティこそ高まりますが、なかなかやりにくい時間帯でもあります。
市場はアルゴリズムが席巻していますから初動は大きく動くものの逆方向に戻ったり想定外の方向に強く動いたりすることが非常に多くなっていますので自分で想定しておいたセオリー通りに動かなくても大丈夫なように余裕をもってトレードすることが重要ですし、ポジションをもっている場合にはやはりストップロスをあらかじめ入れておくといった対策が必要になります。
深夜の午前3時から翌日の昼過ぎまでかじりついてみていられる人がどれだけいるかという問題もありますが、結果をよくみてから動きはじめても十分に間に合いそうな状況ですから、あまり焦らずに様子を見ることも重要になりそうです。
とくにアルゴリズムの初動についていくのは結構危ないことが最近は頻発していますのでしっかり状況を見極める姿勢はかなり大切です。
(この記事を書いた人:今市太郎)