24日のNYタイム、急激に株価が下落しドル円のそれにつられるように下値を広げる展開となりました。
しかし、トランプ大統領がウクライナ大統領との会談の内容を開示するという報道が伝わると驚くほど相場が吹き上がる展開となり、さらにその後民主党下院議長のペロシ女史がトランプ大統領の弾劾調査に乗り出すという報道がでて相場は完全に逆戻りするという猛烈な展開となってしまいました。
日本国内にいますとこのウクライナ大統領との電話内容がそんなに大きな問題で株や為替を揺るがすものなのかということがもう一つわかりませんでしたが、米国内では大変なセンチメントの変化のようです。
中国との通商交渉が国慶節でお休みの間、このウクライナ疑惑の問題がさらに相場を揺るがしそうな状況になってきています。
何が問題なのかを要約すると・・・
今回のトランプ大統領とウクライナ大統領の電話問題は、トランプが米国の軍事支援の見返りとしてウクライナのガス会社幹部を務めている民主党のバイデン前副大統領の息子の調査を依頼したのではないかということが大問題になっているわけです。
つまり2020年の大統領選挙でバイデンに不利になるような情報を出させることで再選を有利に展開させようとする魂胆なのではということが疑われているのです。
いつもながらトランプはねつ造であると吠えまくり、バイデンは権力の乱用を主張して調査を求めているというのが今の状況です。
ついにトランプ側は電話の内容の詳細記録を開示することを許可していますが、民主党側はこれまで持ち出さなかった弾劾を口にしておりその調査を開始すると下院の議長が手続きをとったことで相場は再度下落となっています。
こうした問題が起きて外国の個人や団体に支援を求める場合には議会に7日以内に報告をする義務があるようですが、今回のトランプの件はこれに違反していることを民主党は重く見ているようです。
これで罷免が実現するのかどうかは別問題
トランプの大統領選、そしてその後の大統領としての動きを見ていますと、このぐらいのことは朝飯前でやってのけているのではないかとい印象しかありません。
しかし、仮に民主党が大騒ぎをしてもこれだけで大統領の弾劾になるのかどうかについてはそうとう怪しい状況で仮に下院議会で弾劾が成立したとしても罷免を実現するのは相当なハードルの高さになりそうです。
おそらくこの件もアルゴリズムがメディアのヘッドラインで過度に反応しているとしか思えない状況ですが、米国のメディアが反トランプで結集していることもこうしたことが大きな騒ぎになるきっかけをつくっているように思われます。
とにかく次から次へと問題がよくでてくるのがトランプですが、米国内のセンチメントというものをよくわかっていませんと飛んでもないところで相場のはしごを外されかねないだけに結構注意が必要であることを今さらながらに感じる次第です。
とくにアルゴリズムの最近の報道を受けての反応は過剰すぎで、なぜここで買い上げなくてはならないのかといった部分がよくわからないことが多発し始めています。
このCTAのアルゴリズムも聞くところによるとまったく儲かっていないそうで、ただ相場にボラティリティをもたらしているだけの存在のようですが、FXの取引、とくにドルが絡む取引をする向きにとっては非常に迷惑で厄介な存在になってきているのは間違いありません。
いくら注意をしてもどうにもなりませんが、今後のトランプのウクライナネタではまた跳ねたり沈んだりすることが続きそうな状況で、こちらもかなり注意が必要になってきています。
(この記事を書いた人:今市太郎)