米国では注目されていた9月のISM製造業景況指数が2009年以来の低水準を記録したことから株価が大きく下げましたが、2日もその流れは止まらず株安と米国債券利回りの低下からドル円も当然のことなら下方向に逆走を始めており、ここからどこまで下げるのかが大きな注目点になりはじめています。
世界的な景気を見回してみましても韓国、オーストラリア、ドイツなどがかなり景気悪化を鮮明にしており、ここからは米株の下落に伴ってドル円も一定の下押しを食らう可能性がかなり高くなりつつあるようです。
シーズナルサイクルから言ってもこの時期は円高
ドル円のシーズナルサイクルを改めてみてみますと10月は例年かなり円高に振れやすくなっていることがわかります。
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このチャートでは上方向が円高になりますので10月に関しては通常ならまだこれからさらに円高に振れる可能性が高くなります。
果たしてどこまで円高が進むのかはまだこれから動きを見ないことにはわかりませんが、今年は8円程度しか動いていませんから10円幅をなんとか確保するのであればやはり下方向になるリスクは高くなりそうです。
1日に発表された米国の製造業景況指数は2009年以来の悪化となってきていますからいよいよリーマンショック以降一度も起きていない大幅な株価の下落が示現する可能性も否定できず、ここからの相場はかなり緊張感をもった取引を求められることになりそうです。
毎回ご紹介しているとおり、この手の相場の動きがやたらとアルゴリズムが情報を過大に評価し相場をまっさきに動かすことから余分な動きになることが多いわけですが、株式市場では明確に相場下落が進んでおりちょっとした調整を超えた動きになることも考える必要がでてきているようです。
それでも然として強い株式市場のレンジ相場感
こうした相場の調整時期に株価も含めて大きな下落があるとそれ以降の上昇が期待できることから投資はかなりやりやすくなるものですが、どこの中央銀行も株価の下落を容認しないようなストイックな政策を打ってくることから結果的に大きく相場が下げることがなく、結果的にこうした人工的な株価の維持策が相場全体を狂わせることになる点が非常にきになります。
米国はもとより日本に関してはこうした色彩がきわめて強いことから下がらない相場は上昇することもなく、為替もそれにかなり影響を受けることなります。今年はこうしたレンジ相場感の強い動きになることもある程度覚悟しておく必要もありそうです。
残り90日あまりの今年の相場ですが、依然として明確な方向感がないままに足元では株主導で下落が加速しそうな状況になっていますから、これに為替がどこまで連動してついて行くかが大きなポイントといえそうです。もう一つ注目しなくてはならないのがハロウインの辺りにドル円の買いを入れて年末もしくは年明け以降に利益が出るトレードを実現できるかどうかの問題です。
このままドル円が下がった場合に月末買いで利益を出せる動きになるのかどうかが非常に気になるところです。レンジ相場に終始した場合には年末まで待たずに利益がでたところで売る必要がありますし、そもそも上昇しないという可能性ありそうです。
10月相場はまだ始まったばかりですからここからの相場の動きをさらに注視することで先行きを判断していきたいと考えますが、今年後半の相場はどうも例年の動きをそのままトレースするようにはなっていないため、予想以上に難しい状況にさしかかってきていることを感じます。
今週末にはさっそく雇用統計を控えていますが、この結果を受けてどう動くかにも注目していきたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)