ドル円が米中の通商協議期待だけで異常な上昇を見せ、多くの市場参加者がショートで参入したことからそれを踏みあげる形で大した材料もないままになんと108円にまで上昇するというとてつもない相場状況が続いています。
東京タイムの始まりまで待ってみましたがまだこの状況は改善しておらず、米中協議の結果待ちになりそうです。
既に良好な結果を織り込み過ぎていることからここからの上昇はない?
とにかくアルゴリズム主導と思われるこうした状況はある種の異常事態ともとれるもので、なんの結果も得られなかった場合に激しく売り込まれることが予想されるだけに市場に入ってポジションを持ち続けることがかなりのリスクになってきてしまっています。
ここのところアルゴがしでかす相場の反乱的行為に目に余るものがあることをずいぶんお伝えしてきていますが、相場がレンジで動かないだけにこうした状況を作り出している可能性も考えられ、相当な注意が必要となりそうです。
1円以上の大きな下落にはならないとは思いますが、50銭から70銭程度はどれだけショートが積みあがっている状況でも平気で下落する可能性があるだけにここからの報道ベースの動きが危惧されます。
さすがに108円には売りがありそう
一般的に考えても今この相場の材料下で108円を超えていくというのはやり過ぎ感満載で、実際実需の売りも108円にはそれなりにありそうなことからアルゴ相場でもどんどん108円を乗り越えていく状況ではないようです。
それでも東京タイムの仲値には再度108円台に乗る動きをしていますからあまり甘く見るわけにはいきません。まあ当たり前と言えば当たり前ですが、市場がショートになり過ぎていることもこうした状況を助長しているのは間違いなさそうで、為替相場の難しさというものを久々に強く感じさせられています。
本日は週末にもあたりますから、一定の相場の巻き戻しが出る可能性もありますし、国内では台風の通過のほうが大きなイシューですが週明け日本がお休みの月曜日に激しくギャップダウンして始まることも容易に想定されるだけにここからは周到な用意が必要になってきそうです。
相場が動かないことがこうした状況を引き起こしている可能性も
毎回申し上げていますが、今年はとにかく後半から為替相場が動かなくなっており、市場に参加しても利益をえられない参加者が激増しているようです。
その中で為替の短期投機筋はとくに儲かっておらず、このままなにもしない状況では年末にまともな利益を得ることもできないことから、投機筋がこうしたかなりエキセントリックな動きにでている可能性は否定できない状況です。
ショートを持っている向きの損切をかなりのボリュームで付けた場合にはそこから大きく相場が上昇する可能性はなくなるだけに反転してくることが非常に警戒されます。
この動きを作り出している向きも逆にそれで利益を上げることを画策している可能性もあるだけに相当警戒すべき状況ではないでしょうか。本来は10月のドル円は例年それなりに下押しすることが多いだけに足元の状況はかなり独特な状況です。
足元ではポンドが上昇したことが相場に影響を与えていることもあるようですが、こちらも大きく期待できるようなものではないですから引き続き注意が必要であることは言うまでもありません。
10月相場も早いもので半月が経過することとなっていますが、相場は常に想定外の動きをするものです。しかもその中で故意に仕掛けてくるものもいますので、引き続きここからの動きには十分に注意をしていただきたいと思います。
来週の週明け相場で本邦勢が何事もなく取引を継続できているよう台風の被害がないことを切に願いたい気分ですが、みなさまも為替のみならず台風にはお気をつけください。
(この記事を書いた人:今市太郎)