例年ハロウィン前後というのは米株も下がり、ドル円もそれに呼応するかのように下落するケースがシーズナルサイクルでは非常に多くなります。
このタイミングにドル円を購入しておけば少なくとも年末までは上昇する可能性が高くなり、ハロウィンエフェクトなどと呼ばれで毎年いい買い場になるものですが、今年に関してはまったく押し目をつくらず107円台にさえ下落しない状況であることから、このまま108円台初頭で買いを入れて一体ここからどこまで上昇するのかが非常に気になるところとなってきています。
円のシーズナルサイクルでみますと上のチャートは上方向が円高で下方向が円安になりますので、例年は10月に一定の円高を示現するタイミングがあり、それが非常にいい買い場を提供してくれていることがわかります。
10月単月だけで見ますとそれなりにボラティリティのある月であることがわかります。しかし今年の10月はドル円は上昇してからほとんど下がらない動きになってしまっており、本来106円台ぐらいまで突っ込んでくれると非常に買いやすいタイミングになったのですが、そういう動きが一切でないまま来週にはハロウィンを迎えてしまうという難しい状況になってきています。
単なるレンジ相場に落ち着く可能性も
■ドル円4時間足
かなり本数の多いドル円の4時間足で見てみますと8月1日、FOMCの直後に大きく上昇してからドル円が大きく下落したのは記憶に新しいところですが、直近ではこのレベルが一つのポイントになっておりこれを抜ければ110円超が見えてくることになります。
ただ、足元の材料で年末というだけでここから簡単に110円を抜いて上昇していくとは相当楽観的であってもちょっと考えにくく、この1週間で下値もそれほど下がらないとなるとハロウィン買いなどといって張り切って買い向かってもせいぜい1円50銭程度しかとれずに結果、レンジ相場になる可能性も高く、無理して10月末買いをするべきか、もっと下げたところでエントリーすればいいだけなのではないかとかなり悩む部分もでてくることになるわけです。
FXは確率にかけるゲームですから過去に7割以上の確率があった場合にはアノマリーでもアストロでも一応は乗ってみる価値があるものといえるわけですが、今年の相場に関してはここまでドル円はたった8円しか動かなかったわけですから、例年と異なる動きになる可能性もありそうで、とくにレンジ相場になった場合には勢い込んで購入してみてもあまり意味がなかったということはどうもありそうな状況になってきています。
10月末まで様子をみてみるのも一つの考え方
ここから10月末まではBREXITがどうなるのかがまず大きな焦点になりますし、20日のFOMCで市場に利下げがすっかり織り込まれた中で本当に実施されるのか、さらに翌日31日の日銀政策決定会合でなんらかの緩和措置が飛び出すことになるのかどうかといった材料がまだ残されていることになります。
したがってハロウィンだからと無理をせずすべての材料が出そろったところを見計らって買いを入れてみるというのも一つの方法になりそうです。とにかくこの秋相場はまともに動かない状況で国内では取引量の減った店頭業者がとうとうドル円に0.1銭というスプレッドを原則固定で持ち出してきて他社の顧客の取り合いを行う始末で、取引するトレーダーも激減していることが窺われます。
そうかといってユーロドルなら大きく動くかといえばこちらもそれほど期待できる状況ではなく、ポンドがわけのわからない動きをしている以外はボラティリティが非常に失われているのが気になるところです。
あえて無理して取引する必要はありませんが、なにかうまいチャンスがあればエントリーしてみたいところですが、果たしてうまくいくかどうかの状況です。
(この記事を書いた人:今市太郎)