31日午前3時に発表されたFOMCの政策金利は市場の予想通りに0.25%利下げとなったものの、12月はさすがに様子を見るということで予防的利下げはひとまず今年3回で終了しそうな状況になってきています。
一方日銀の政策決定会合のほうはフォワードガイダンスを見直すということで先行き利下げを思わせる内容を含んだものの基本的に現状維持ということで無風で通過する形となりました。
ドル円はFOMCを受けて一旦109.300円近くまで上昇をしましたがその後は逆に大きく売り込まれる形となりNYタイムにはなんと108円割れを試すというかなり荒っぽい展開となりました。
■ドル円30分足
ドル円はサポートラインを下抜け
久々に1日の中ではよく動いたといえますが、一時的にサポートラインの108円近辺を下抜けてしまってことで本来はここからは戻り売りすべき状況になってきており、31日のFOMC直後につけた109.287円もピークであった可能性が高まりつつあります。
こうなるとハロウィン買いとは別の志向が生まれてくることになるわけで、108円を抜けたことからテクニカル的には105円を目指すと考えてもおかしくはない状況になってきています。FRBが資産拡大をしている最中は米株は下がらない
■Data ZEROHEGDEFOMC
では0.25%の利下げが実施されたわけですが、FRBは10月にそれとは別に公開市場操作(OMO)をNY連銀が中心になって行っていますし、さらに短期債を月額で600億ドル程度定常的に買い付ける作業も始めています。
パウエル議長はとにかくこれはQEではないとしていますが、実質的なQE的効果を発揮するものであることは間違いなく、これが継続して行われている以上そう簡単には米株は下がらない可能性が高くなり、当然ドル円も大きく下値を試すことにはならないことを想定する必要がでてきています。
ここから大きくは上昇しないとしても動きは上方向になることも否定できない状況というわけです。こうなるとハロウィン買いの発想から言えば絶好の押し目買いタイミングにも見えるわけで、11月相場は上にいくのか下に行くのかかなり迷うことになってきてしまったといえます。
季節的にはドル買いの時期
11月といいますと本邦ではまだ年末までは時間があるような気がしますが、米国では感謝祭の休暇から先は年末の休暇シーズンに入ることから年末といってもそれほど時間があるわけではなく11月中にドル円がどのような動きをするのかに関心が集まることになりそうです。
日柄的には実需のドル買いが出やすいタイミングであることから、チャート的には下方向が考えられてもそれなりの材料がないかぎり107円台を大きく下抜けて105円を目指していくことになるかどうかは不明の状況です。
むしろ大きくは上げなくても110円の手前までを攻める可能性は引き続き残されているようで、もっと言えば単にレンジが継続しているだけということも十分に考えられます。
こうなると決め打ちは危険ですが、まずは今週どのレベルで引けるのかがひとつ大きなポイントになりそうですし、米株も含めて下方向に本当に動くことになるのかを見極めることが必要になりそうです。
株も為替もそう上値に青天井が広がっているとは思えませんが、迂闊に売り向かうと踏みあげられるリスクがあることも事実でここからはかなり慎重にトレードすることが重要になりそうです。
本日は雇用統計もありますので大きく相場が動くことは考えられないものの、上に向けての導線が確立することもありえます。まずは11月相場の初動がどうなるのかを見極めながら次の動きを考えたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)