米国は28日感謝祭でそのまま週末までほとんど市場参加者がお休みをとることから今週はもはや相場は動かないとみて間違いなさそうです。
儲かったファンドマネージャーはここからクリスマスまでそのまま長い休暇をとることも多くなりますから年末相場に居残っているのはもっぱら今年儲からなかった連中だけということになりそうです。
どうも12月は初旬から第二週にかけてまたかなりの材料が目白押しとなることから上昇するのか下落するのかはわかりませんが、為替も相場にそれなりのボラティリティが発生することが考えられそうで、ここをどううまく乗り切るのかが大きなテーマになりそうです。ざっと挙げますと時系列的には次のようなイベントが発生します。
12月FOMC(12日日本時間午前4時)
今年最後のFOMCが12日日本時間午前4時に政策金利発表を行います。現状では12月利下げはほとんど市場も期待していませんので注目点は来年の動向についてということになりそうですが、政策金利発表よりもパウエル議長の会見のトーン次第で相場が上下しそうな状況です。
12日の夜はラガルド新総裁のもとでECB理事会が開催され記者会見も予定されていますが、はじめの一回目ということで大きな変動はないものと思われます。
英国総選挙開票(13日東京タイム)
BREXITに対する市場の興味はかなり薄れた感がありますが、いよいよ12日には英国の議会選挙が開催され翌日13日の東京タイムにその開票結果が開示されることになります。
2016年6月のBREXITをめぐる国民投票の結果が開示された時間と同じようなものになることが考えられますが、事前予想と大きく乖離しなければ為替への影響も現敵的なものになるものと思われますが、番狂わせがあった場合にはポンドにかなりの影響が出ることになりますからユーロやドルへのインパクトにも注意が必要になります。
米国の対中追加関税発動日(15日)
12月相場で最大の問題となるのが15日の米国トランプ政権による対中関税発動ということになります。当初予定では15日に追加関税が発動されることになりますが、恐らくその前の10日の週までには実施の可否に決着がつくものと思われます。
現状ではトランプ政権側は話が進んでいるという情報をやたらとリークしてきますがどこまでうまく進んでいるのかはまったくわからず、28日までに北京で開催が予定されていた高官の会議も結局電話会議に終始しただけであることから本当に追加関税の実施が回避できるのかどうかはまだわからない状況です。
為替相場全体としてはかなり楽観的な雰囲気になっていることから、もしうまくいかずに追加関税実施の決定報道がでればそれなりのドルの下落を招く可能性があり注意が必要です。状況次第ではここで挙げたイベントの真っ先のタイミングにこの問題が出る危険性もありそうです。
19日には年内最後の日銀政策決定会合も開催されますが、こちらは変動なしというのが市場の大方の見方であり、あまり大きなイベントとしては注目されていない状況です。例年12月の第二週でほとんどの欧米の市場参加者は休みに入りますから、ここでご紹介した材料で相場が動くとなるとそれが年内最後の大きな動意ということになることが想定されます。
ひとつひとつの材料は為替相場にもたらす報告感が必ずしも同一ではありませんから並行して相場が動き出した時にどの材料がもっとも大きな影響を与えることになるのかは実際の相場を見てみないとわからない部分がかなり残ります。
したがってここからは相場の方向性を断定せずに実際の動きをみながらフレキシブルに売買できる姿勢をもつことが必要になりそうです。せっかくの年末相場で無闇に証拠金を減らしてしまっては意味がありません。十分に気をつけながらトレードを進めていきたい時間帯になります。
(この記事を書いた人:今市太郎)