6日に発表された米国の11月雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月から26万6000人増と予想の18万人を超えて増加したことからドル円は108.900円レベルまで跳ね上がる動きを見せました。
しかし、その後クドローNEC委員長がトランプ大統領が15日の追加関税発動にむけて回避のための中国との合意案にサインする準備ができていないなどと発言したことからずるずると相場が下がる展開となりました。
12月初旬の金曜日NYタイムの午後はすでに閑散相場で大きな動意もないままに週の取引を終了する展開となっています。
週明けはとにかく米中交渉結果次第
すでに多くの市場参加者が相場から離れている状況で、週明けの相場も大きな動意がみられる時間帯ではなくなりつつありますが、英国の選挙はどうやら保守党が勝利しそうな気配ですし、FOMCの結果も特段サプライズは期待できないことから最大のテーマはやはり米中通商協議の決着ということになりそうです。
すでに時間的には本当に限られた状況になっていますが、第一フェーズについて何等かの合意が得られれば米国側が追加関税延期もしく回避の示現させることで為替相場は一旦ドルが買い戻される動きになりそうです。
ただ、何も決まらずに本当に追加関税実施が決まった段階では株も為替も15日を待たずに週明けのどこかで激しく売られることになりかねないだけにまさにトランプ発言や声明の発表が相場を大きく動かしそうな状況になってきています。
ここまでのところ、株価が下がると交渉はうまくいっているといった発言が米国側からやたらと飛び出しますが、いまのところテレカンファレンス以外交渉は継続していないことから簡単にサインオフで決着とはいかなさそうな雰囲気が漂いはじめており、それなりの相場の下落は覚悟しておく必要がではじめてきています。
ただこれだけに賭ける取引をするのもかなり気が引ける状況でこの一週間どう相場に関わるかはかなりよく考える必要がでてきています。
一旦様子見の週とするのが得策の可能性も
国内ではまだ年末押しつまった雰囲気はしていませんし、国内市場では13日にSQがあることから株式市場にもそれなりの動意がみられますが、米国の為替市場はすでにお休みモードに入りつつあるようで参加者がかなり減っているのが気になるところです。
恐らく米中協議をめぐっては想定以上の大きな動意がみられることもありそうですが、流動性が下がっている時期だけに先にポジションをもって動きを伺うよりは結果がしっかりでてからどうするかを決めた方は安全といえそうで、決め打ちするのはかなり危険です。
またある程度相場が事前に織り込んでしまいますと結果の発表で逆の動きになることもありえますので、今週に関しては静観して状況の変化を確認してから相場に入るかどうかを決めるのも一つの方法になりそうです。
シーズナルサイクルでいいますとドル円は例年12月中盤に特別な政治的イベントがなくても下押ししやすいことが分かっており、十分に引き付けて下値で買い向かうというのも得策になりそうです。
ただ、クリスマス前には既に相場は動かなくなりますのである程度の利益を見込めたら早めにリカクすることも重要になりそうです。
今年の年末相場は株価こそ結構な盛り上がりを見せていますが、為替はかなり低調でどの通貨を選択してもそれほど大きな動きを期待できそうもありません。
そのためにNZドル円にフォーカスしてみたりしているわけですが、とにかくBuy & Holdが大きな成果を生む地合いではありませんから、利食い千人力で儲けがでたらしっかり利益確定をして手堅い取引で前に進んでいくことがお勧めです。勝負の時はむしろ別のタイミングに訪れることになるのではないでしょうか。
(この記事を書いた人:今市太郎)