今年も年初に大きなフラッシュクラッシュを経験したドル円でしたが、結局のところ年間値幅たった8円、業者によっては7.5円ほどしか動かずにこのまま今年の相場を終了しそうな雰囲気です。
仮に年末それなりの下落があったとしても104円台にまで突き抜けることはほとんど想定できませんし、逆に110円をこえて112円に上伸する可能性も殆どなくなっています。
2年程前からどこかで大きな下落が訪れるのではないかと心配しながらずっと取引を続けてきたわけですが、多少のフラッシュクラッシュは確かにあるもののいわゆる相場の大暴落というものには見舞われることもなく今年の取引も終焉しそうな状況です。
そもそも米株市場は1000ドル級の下落はあるものの下落率としてはまったく大暴落を引き起こさない下げのない相場が延々と続いています。中央銀行が延々と緩和措置を続けていることがこの相場の大きな原因であり、本来一定の循環を自律的に発揮するはずの株式市場もまったく押し目を作らない状況が続いています。
しかしどんなに手立てを尽くしても延々と上昇する相場というのはあり得ず、生き物に終わりがあるように相場にも上昇の終わりが必ず訪れることになります。
それがいつかわからないところに持ってきて人為的に下げさせない状態が作り出されていることから値幅ではなく日柄で調整する相場が定着してしまったことも今の相場を表す典型的な状況であるといえるのでしょう。
レイダリオは暴落より長期停滞相場を予測
このコラムでたびたびご紹介している世界最大のファンドであるブリッジウォーターのCEOであるレイダリオは11月株をショートにしているといった記事がニューヨークタイムズに出た途端にそれを否定する様な内容をSNSで発表しています。
彼の発想ではそれでも大きな循環の中に相場があり、ここからは大暴落というよりは1937年ごろからの一旦下落に転じてその後長々と停滞する相場を想定しているようで、まるで1998年から延々と続いた日本の株式市場のじり安相場のようなものが米国市場を襲うと見ているようです。
ただ新債券の帝王ジェフリーガンドラックなどはそれなりの暴落がやってくることを想定しているようですし、株取引では常に底値で買っては高値で売り抜けるウォーレンバフェットもある程度の暴落を想定しているようで相場に対する見方はかなり異なることがわかります。
すでにリーマンショックから丸11年を超えてとうとう来年は12年に突入しようとしているわけで、ここ40年近くを考えても暴落なしに11年以上の時間を経過したことがないだけに非常に心配な時間帯がやってくることになります。
積みあがったVIX先物の売りはこのまま見過ごせるか
FRBが過剰な緩和をやり始めて月間600億ドルという事実上のQEを実施してからは殆ど米株は下がらないまま来年の延々とこの相場が続きそうな気配で投機筋が挙って売りを入れていると言われるVIX先物も全くポジションが減る気配を見せないまま年末を迎えようとしています。
一般的には史上最高の売りが溜まると必ずその後1か月程度で相場は結構大きく下落するのが常であるわけですが、どうも今のままではそうしたこともないままに年を越してしまいそうな気配濃厚です。
VIXの売りの溜まり過ぎはアノマリーではなく現実のものとして相場の大幅な下落を引き起こしているだけに見逃すことはできないのですが、足もとの相場はどうもそうした見方が全くワークしなくなっており、下落相場をとりに行くというのは相当難易度の高いものになっていることを痛感させられます。
相場は生ものですから絶対などということはないのですがかつての相場の変動の兆候を探ることで先行きを見通すのが非常に難しくなっていることを感じさせられます。
(この記事を書いた人:今市太郎)