米中の貿易協議はぎりぎりの12日米国サイドでトランプ大統領がアドバイザーなどと協議した結果フェーズ1の合意を決めることとなりました。
最後の最後に突っぱねるのではないかと見られていたものの、どうやら無難に事を運んだようで、ドル円は109円台中盤まで上昇する動きとなっています。トランプ大統領も日本時間の13日早朝承認のサインをしていますからこれにて一件落着ということになりました。
13日は英国の総選挙の開票待ちもありここからさらに相場がどうなるのかが注目されるところです。
ただ、概ね保守党が勝利するのは間違いなさそうであることからほぼ今年の相場の材料は出尽くした可能性が高くなります。
番狂わせがあるとすれば開票状況の決定的結果が遅れることになりそうですから早い段階で保守党勝利が告知されないとポンド売りは強まることを考える必要がありそうですが、ドル円などにそれほど大きな影響がでるかどうかはよくわからないところもあり、今週最後のイベントの結果は東京タイムで決着がつくだけにもう一息注意を怠らないようにする必要がありそうです。
米中貿易協議の合意では果たしてどこまでドル円の価格が上昇するかが注目されましたが、結局のところ109円台中半までしか上昇することはできておらず、常識の範囲内の動きにとどまっています。
株価のほうはさすがにこの状況を好感してまたしても史上最高値を更新する動きとなっていますが、さすがにこれが今年のピークになる可能性が高そうで、ここからは利益確定売りもそれなりに出てきそうな状況です。ぎりぎりまで決着を引っ張ったわりには簡単に合意してしまった感がありますが、第一フェーズはこれで乗り越えたとしてもここから先の米中の交渉が一体どうなるのかはまだわからずそう簡単には合意しなさそうなところに向かいつつあるようです。
これで楽観相場はひとまず終了ということになり、ここからは利益確定売りや手じまいの売買も多くでてくることから相場の上場はお仕舞いになるのではないでしょうか。
ほとんど政治だけで動く相場になった2019年
これで2019年の相場もクリスマスまでは膠着状態となり新たな動きがでるのはクリスマス明けということになりそうですが、今年の相場はすっかり政治にだけ動かされた感があり、例年ともかなり異なるものとなったことが非常に気になるところです。
ここから年末に向けてFRBは短期市場のレポ金利が上昇しないように猛烈な資金供給を行う予定のようで、こうした隠れQEが延々と続く限りは株式市場も簡単には下落しない状況が延々と続きそうです。
NYタイムではこの米中貿易交渉の結果がトランプ弾劾の報道をかき消すようになっていますが、弾劾のほうも着々と進んでいるようで民主党がこれにどれだけの時間を費やすつもりなのかによっては年内から年明けまたこのノイズが高まることも予想され決定的影響はないとしてもトランプ陣営にとってはうれしい話にはならなさそうです。
大統領選挙の前年は秋口に大きく株価が上昇するというアノマリーがありますが、今年も結果的にはまさにこのアノマリー通りの展開になってしまったようで、手練手管のトランプの戦術がかなり功を奏している感があります。
果たしてこのまま大統領選まで相場も下落せずに突っ走れるのかどうかが気になりますが、ほとんど全く押し目を作らない相場というのもかなり気味の悪いもので、来年の相場にどうついて行くかについても真剣に考える時期が到来しているようです。
ここからの10日間あまりは市場参加者が激減することから相場は益々動かないことになりますが、クリスマス明けから年始に向けていわゆるクリスマスラリーが展開するのかどうかにも注目が集まりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)