TPPとはTrans Pacific Partnershipの頭文字をとった言葉です。環太平洋パートナーシップ協定と訳されます。
日本は途中から参加
TPPは当初、シンガポール・チリ・ブルネイ・ニュージーランドの4か国でスタートしました。そのため、日本やアメリカをはじめとする主要先進国は後から参加したといえます。
ちなみに、東アジア地域で巨大な貿易額を誇る中国は、2015年末にTPPが大筋合意した時点でまだ参加を表明していません。中国としてはTPPの貿易ルールに縛られるよりは、自国の判断でより自由な貿易を行うほうが、メリットが大きいなどと判断したといえます。
途中参加となった日本ですが、TPP大筋合意につながる最終交渉では、甘利明TPP担当大臣がアメリカを巻き込んだ交渉を積極的に進めるなどしたため、一定の存在感を発揮したといえます。
今後のTPP関連の交渉の際にも、日本が主導的な立場を維持することが期待されます。
環太平洋地域の貿易が活発化することに期待
TPPが成立すれば、多くの貿易品目にかかる関税が引き下げられる見通しです。関税の引き下げによって、環太平洋地域の貿易が活発化することに期待できます。
日本の貿易にとっても、ヨーロッパのEU、北米のNAFTA、東南アジアのASEANをはじめ、世界各国に貿易自由化の動きがあるなかで、TPPの成立は大きなメリットがあるといえます。
いっぽう、TPP成立によって安価な農作物が流入すれば、日本の農業が大きな打撃を受けるとの指摘もあります。
農業のほかにも、非関税障壁の撤廃によって日本の各種のシステムが海外への開放を求められるなどの圧力がかかる可能性があります。TPPにはメリット、デメリットの双方があるので、細かな内容を決定する際には慎重な判断が求められます。