社会保障費とは、国が年金や公的保険の支払いなどにかける費用のことです。
少子高齢化の進展により増加
日本の社会保障費は、少子高齢化の進展に伴って増加しています。特に増加している項目としては、年金費用が挙げられます。年金受給者数の増加に伴って、どうしても年金の支払いに必要な費用がかさんでしまいます。
年金制度の破たんを防ぐため、GPIFが株式への投資を増やすなどして利回りの上昇に努力していますが、株価下落時には逆に積立金が大きく減少しかねないとの指摘も出ています。
年金に加えて、低所得者向けの支援などにかかる費用も増加しています。資産をほとんど持たない高齢者が生活保護の受給対象となっているほか、若年者でも非正規雇用などで所得の少ない人が多くみられます。
こうした問題を解決しなければ、社会保障費の伸びは今後も続くと考えられます。
日本政府による対策
日本政府は、増大する社会保障費を賄うために、いくつかの対策を講じています。まず、定年の引き上げに取り組んでいます。基礎年金の支給開始年齢は標準的には65歳であることを踏まえ、定年を引き上げることで現役世代の数を増やす努力をしています。
もっとも、65歳付近まで働き続ける人が増えれば、若年者の雇用機会が減ってしまうとの懸念もあります。また、消費税率の引き上げによって、財源確保にも努めています。
消費税は比較的税収が景気の動向に左右されにくいため、安定的な社会保障財源として期待されています。ただ、消費税には逆進性があり、結局のところ消費増税によって低所得者の苦しみが増加しているとの指摘も出ています。