スタグフレーションとは、スタグネーションとインフレーションを組み合わせた言葉です。スタグネーションとは景気停滞を表し、インフレーションとは物価上昇を意味します。
したがって、スタグフレーションは、景気が停滞しているのにもかかわらず物価が上昇することを意味しています。
スタグフレーションは有事の際に起こる
景気は、周期を伴って、良くなったり悪くなったりします。
したがって、景気停滞(スタグネーション)が起こることは珍しくありません。また、物価上昇(インフレーション)は好景気の際に、企業利益の増大が賃金上昇につながり、消費が促進されるなどして起こります。物価上昇も珍しい現象ではありません。
ところが、好景気の際に起こりやすい物価上昇と、不景気を意味する景気停滞が同時に起こる確率は比較的低いです。
スタグフレーションは、何らかのイベントがきっかけで起こることが多いのです。
戦争や新興国の台頭など、需要の急増によって起こる
スタグフレーションのきっかけとなるイベントとしては、戦争や新興国の台頭が挙げられます。
こうしたきっかけによって需要が急増することによって、物価が上昇します。急増する需要に対応するだけの供給が速やかに確保されないからです。
そして、この物価上昇は、経済の混乱状態を悪化させるだけになってしまい、好景気に結び付かないことがあります。特に、戦争の際には、軍需産業の特需によって好景気となる国がある一方で、爆撃などにより破壊される地域があり、景気が停滞あるいは大きな落ち込みを見せる国が出てきます。
こうなると、景気が上向かないのに物価だけが上がっていく、スタグフレーションの状態となります。