先行指標とは、経済の実体を先取りする指標です。
マネーサプライ(貨幣供給量)が代表例
先行指標の代表例としては、マネーサプライが挙げられます。例えば、通貨の供給量が増加すれば、景気が良くなる可能性が高まります。資金の流れが活発化していると考えられるからです。
先行指標は景気の先行きを見通すために活用されています。そのため、先行指標の発表には多くの投資家が関心を寄せています。為替レートなどは、指標の発表に対して敏感に反応することがあるため、指標発表時にはレートの急変に注意が必要です。
先行指標に続き、一致指標、遅行指標の動きが起こる
一般に、先行指標の動きに続いて、一致指標、遅行指標の順に動きがみられます。先行指標の動きを後追いする形で、一致指標、遅行指標が推移した場合には、先行指標の値に基づいて行動した投資家の考えが裏付けられる形となります。
一方、先行指標の変化から一定期間が経過しても、一致指標や遅行指標に同様の変化が認められない場合には、「先行指標は景気の先行きを正しく見通せていなかった」との判断が下されます。この場合には、先行指標をもとに行動していた投資家が修正行動に出るため、相場の変動が予想されます。
先行指標は、一致指標や遅行指標と比較して活用できます。例えば、一致指数よりも先行指標のほうが良い場合には、景気がよりよい方向に向かうことが期待できます。3つの指標にあまり違いがみられない場合には景気停滞、遅行指標がもっとも良い場合には、景気後退が懸念されます。