欧州債務危機のことを欧州ソブリン危機ともいいます。ソブリンとは、国の信用のことになります。よく投資信託等でソブリン債と言われるのは海外債券のことになります。
欧州債務危機の発端
「リーマンショック」という世界的な危機が終焉しようとするころ、ギリシャに政権交代が起きました。与野党が逆転し政権の交代が起こったのですが、そこでギリシャが「EU」加盟時に国の財政を偽ってEUに加盟していたことが判明しました。
これをきっかけにギリシャの財政破綻疑惑が浮上したのです。もともとEUは「GDP」に対する債務の比率は20パーセント以内という厳しい財政基準を設けており、それが適合をしていない場合EUに加盟できないことになっているのですが、それをギリシャは粉飾をしてEUに加盟をしたことに問題の起因があります。
その疑惑が当時、国力が弱っていたいわゆるPIIGS、ポルトガル、アイスランド、イタリア、ギリシャ、ギリシャ、スペイン等の国債が暴落しEUの存在そのものが怪しいということで国際的な大問題になりました。これを欧州債務危機になります。
意外と知られない事実
リーマンショックというのは投資銀行が作ったCDOという債券の証券化商品に端を発した問題になります。その証券化された債務の中で一番問題であったのが「サブプライムローン」という低所得者向けの住宅ローンであったのです。
このサブプライムローンの証券化商品というのはアメリカ国内に限った話と勘違いしている方が多いのですが、実はサブプライムローンやCDOの損失処理はアメリカはほとんどファニーメイ等をみれば終了していることは明らかですが、ヨーロッパのCDOの債務処理は実は未だに進んでいません。「ECB」が行うストレステストにほとんどの銀行が合格をしていますが、莫大な簿外債務の山が消えた形跡はありません。
今年、ギリシャがまたデフォルトするかしないかでまたもめ、結局、支援で落ち着きましたが単なる先送りにすぎません。問題の根幹は、ギリシャも問題なのですが、実は、ドイツやフランスの原因が大きいと思います。
個人的な意見としてはギリシャの資産、資本を食いつぶしているのはドイツやフランスでギリシャの不信の原因というのは結局北欧の先進国だと考えています。