OPECとは「Organization of Petroleum Exporting Countries」の略号で、日本語では石油輸出国機構と呼ばれているものです。
これまでOPECは石油価格の相場にあわせる形で、加盟産油国の生産量を調整し、輸出を保護することを目的として活動を行ってきました。
その結果、これまでこの地域に紛争が起きる度に石油供給に不安が生じ、先進国をはじめとする世界各国の経済に大きな影響を与え続けてきた存在となってきたのです。
しかし、直近では米国が世界最大の産油国となった上、シェールガスの発掘でエネルギー関連の自給率が大幅に向上しました。この結果、OPEC産油国への依存度が急激に低下したことから、石油精製のコントロールで世界経済に及ぼす影響力も急激に低下することになっております。
一昔と比べて、市場での発言権も微妙に異なる状況となってきているのです。
もちろん、日本のように資源を持たない国にとっては相変わらず、重要な組織であることは間違いありません。
しかし、米国の態度や中東情勢に対する考え方が大きく変化している中にあって、この組織のあり方にも何れ変化が現れることになりそうです。
石油は枯渇資源であると言われてきましたが、石油で先進国の手綱を握る時代は遠ざかりつつあり、特に米国とその他の国々との対応の違いが明確になりつつあるのが現状です。