思惑というのはなにもFXや金融相場に限ったことではありませんが、為替市場で思惑といえば市場参加者による期待のことを指します。
例えば毎月第一週の金曜日に発表になる米国の雇用統計では、事前段階での週間失業者申請件数やADPの雇用報告などの数字からある程度方向感が感じられると、発表の事前段階でもドルが買上げられたりするといった思惑による売買が先行することが多く見られます。
こうした思惑による買い上げといった動きは結果がでることで売り戻されることもあり、独特の相場展開となることが往々にしてあります。この思惑に対して為替相場で大きな別の動きとなるのが実需の売買です。
たとえば国内で言いますと既に年間で13兆円もの貿易赤字を抱える国となれば、その分の輸入の外貨需要は確実に積み上がるものであり、しかも投機や投資筋の売買と違ってコンスタントに買い切りの玉となってくる事から、こうした思惑の売買とは異なる大きなストリーミングとなってくるのです。
特に為替の場合には各国ともに実需がもっとも大きなウエイトをもっているだけに無視しえない存在といえるのです。
したがって思惑について売買をする時にはその参入タイミングと潮時を十分に勘案する必要があるといえ、常に反対売買が生じるリスクを考えておくことが重要になってくるのです。