村上世彰氏は、元々東大卒業後通産省で官僚を務めた経歴の持ち主で、その後M&Aコンサルティングである村上ファンドの創始者となり、物言う投資家として上場企業の株を買い、株主総会などで経営陣を批判、渝責するといった独特のプレゼンスアップ手法を繰り返したことから社会的に大きな注目を集めた存在となりました。
当時いつくかの企業の買収などにも名を連らねましたが、2006年にライブドアによるニッポン放送株買い付け行為に絡んでインサイダー取引容疑で逮捕されることとなり、一旦金融市場からその姿を消すこととなります。
現在は5億円の保釈金を支払い保釈され、シンガポール在住で間接的な投資活動に従事し続けています。このニッポン放送に関連するインサイダー取引での利益額はほぼ30億円とされており、国内のインサイダー取引としては過去最高額という不名誉な記録も残している存在です。
逮捕後、8年近くなりを潜めていた同氏ですが、レノという名称のM&A会社を保有し続けており、2013年ごろから徐々に市場に復帰を果たしつつあります。
今後どのような活動を行おうとしているのかは依然不明ですが、M&Aを中心とした投資の世界に返り咲こうとしていることだけは間違いないようで、今後の挙動が注目されます。