M&Aとは、企業の合併・買収のことです。英語のMerger&Acquisitionの頭文字をとってM&Aと呼ばれています。
財務基盤の強化や業務の効率化につながる
M&Aが成立すれば、複数社の資本が一体化することになります。したがって、財務基盤が強固になることが期待できます。財務に不安があれば、思いきった投資が難しくなってしまいます。投資をしさえすれば良いというわけではありませんが、企業の将来を見据えた投資は、成長を続けていくうえで大切です。
また、M&Aによって業務を効率化できる可能性があります。営業所が付近に別々に存在しているなどの場合には、統合することによってコストを下げることができます。ただし、M&Aによって業務を効率化したからといって、安易に人員削減を行いすぎると、せっかく確保していた優秀な人材を失ってしまいかねません。効率化を目指す際には、企業にとって必要な部分まで失わないように注意が必要だといえます。
独占や寡占につながる可能性
M&Aによって市場の企業数が減少すれば、競争が少なくなるといえます。競争が多すぎると価格破壊が起こるなどして産業全体にとっても望ましくない事態が起こる可能性があります。そのため、ある程度企業数が少なく抑えられていることは有益だといえます。
しかし、あまりにも企業数が少なくなりすぎると、独占や寡占といった状態になりかねません。独占や寡占は企業の利益を拡大しやすくなる一方で、消費者の利益を損ないます。また、長期的にみれば独占や寡占が起こっている産業ではイノベーションが起こりにくくなり、産業自体が衰退する可能性もあります。こうした事態を防ぐため、M&Aが実施される際には、独占や寡占につながらないかが判定されます。