民主党政権後半によくマスメディアでキャピタルフライトという言葉が使われていたような記憶があります。キャピタルフライトとは、国内の資金を海外に逃避させるという意味合いでつかわれますが、日本の民主党政権時代後半は円高に悩まされていたのが実態になります。
確かに東日本大震災によって日本の今後、行く末に悩む人は多かったと思いますが通貨高に国から資本逃避を進めるのは経済に原理原則からは逸脱したものになります。
本来のキャピタルフライトとは?
たとえば、近年のギリシャやアイスランドのように国の存亡が関わっているような状況において、投資家が自分の資金を自国の通貨で持っていて、通貨安で自分の資産が目減りをしていく場合、自国の資産を他国に移すことを「キャピタルフライト」と言います。
ギリシャの場合は、統一通貨ユーロですのでギリシャ国内で財産を持っていても通貨安から日々財産が減っていくことはないのでしょうが、アイスランドの金融危機後は相次いで人々が金融資産を海外に移転をさせました。
つまり、本来のキャピタルフライトとは変動為替相場制度において、自分の財産のある国が通貨安に見舞われた場合、その財産を通貨高の第三国に移すことになります。
日本のキャピタルフライト
日本のキャピタルフライトは寧ろ、今、起こらなくてはいけない現象になります。
つまり、通貨安政策をとっている日本政府が信用ならない、日本に財産を持っていても日々ドル建てでの自分の財産が減っていくのですから、日本で財産を持っているのは不利と考え財産を海外に移すことを指すのですが、今現在、そういった状況は私が確認する中ではありません。
むしろ、この状況を勘案してキャリートレードがまた復活する気配さえ感じます。
つまり日本の場合は円安傾向が鮮明な場合、キャピタルフライトではなく小泉政権時代に大流行したキャリートレードが一般的な名称のような気がします。