「購買力平価」とは、スウェーデンの経済学者カッセル氏によって提唱された長期に渡る為替レートの決定理論のことで「PPP」 Purchasing Power Parityと呼ばれるものです。
貿易の障壁の全く存在しない世界を想定した時に、国が変わっても同一製品は同一価格であるという法則が成り立つことになりますが、これをもとにした二国間の為替相場を購買力平価と呼んでいます。
この購買力平価を見るときに常に登場するのが「マクドナルドの価格」です。米国での「ビッグマック」の価格が4.37ドルであり、日本では370円ですからこの購買力平価の考え方でいけば、1ドルは84.67円でなくてはならないといった使い方をされることになります。
これは、世界中で使われている代表的な指数であり、「ビックマック指数」と呼びます。
必ずしもフェアではないという議論も
この考え方は絶対購買力平価といわれるもので、物価上昇率や国民所得などは得に考慮せずに価格で割り込んでいく発想です。
しかし、デフレは脱却しつつあるとは言うものの、マクドナルドの価格設定はかなり安いものになっており、ビッグマックだけで比較するのはかならずしもフェアではないという議論もではじめており、必ずしも適切なサンプルとはいえないのが実態です。
実際「消費者物価指数」であるとか卸売物価指数などを考慮して数値を調整していくことによりかなり購買力平価は異なるものになってくることになります。エコノミスト誌が出しているビッグマック指数での日本の状況はアンダーバリューと評価されています。