突然の政策転換や「要人発言」で為替相場が乱高下することは決して珍しいことではありません。
2015年1月の「スイスショック」などは記憶に新しいところです。現在のドル円で言えば「日銀黒田総裁」や「FRB(米連邦準備制度理事会)」の「イエレン氏」の発言等は米国の金融政策転換を予測させることで為替相場に大きな影響があります。
このようにファンダメンタル要素により、為替相場が劇的に乱高下する現象を「~ショック」と呼び、過去には多くの「ショック」が繰り返されてきました。ある日、突然やってくる「ショック」は市場を震撼させ、投資家をパニックに陥れます。
「カーターショック」のプロローグ
1ドル360円の「固定相場制」が終焉を迎え「変動相場制」へ移行し、当時は1ドル290円程度で取引されていました。
円高ドル安方向へ一気に進んできたことで、アメリカは「インフレ」懸念が進行し、さらに拡大していく「貿易赤字」が首を絞めている状態となりました。様々な政策(公定歩合引上・賃金物価の抑制等)や各国との協調介入を実施したものの効果は薄く、ドルの下落は止まりませんでした。
1日で10円以上急騰した「カーターショック」
止まらないドルの下落はついに200円を切り、1ドル180円まで進行。そしてその日がやってきます。1978年11月、当時のアメリカ大統領「ジミー・カーター」がドル防衛策(協調介入強化・公定歩合引上・預金準備率引上等)を発表。特に公定歩合は一気に1%も引き上げられました。
この発表によりドル円は1日で10円以上の急騰を見せ、その後一時1ドル250円まで円安ドル高が進行しました。