J・ウエルズ・ワイルダー(ジュニア)は、テクニカル分析の指標を確立した人物です。
現在でもテクニカル分析に使われているRSIを考案
J・ウエルズ・ワイルダー(ジュニア)が考案した分析方法で最も有名なのは、RSIという指標です。
RSIでは、相場の終値を用いて相場の方向性の分析が行えます。RSIの値は0%~100%の範囲内で推移します。
そして、RSIが50%の場合、相場が停滞状態にあることがわかります。いっぽう、RSIが50%を超えていれば相場は上昇基調であり、逆に50%を下回っていれば相場が下落基調にあることが理解できます。
このRSIと呼ばれる指標は、50%を超えているかどうかで相場の方向性を手軽に把握できるメリットがあります。
数字が大きいほど上昇傾向が強いことから、初心者でも直感的に把握しやすい指標といえます。相場の方向性に悩んだときは、ワイルダーが作ったRSIを参照してみましょう。
相場が短期間で急変すると分析が難しい
RSIでは相場の終値を用いた分析が行われます。そのため、相場が日中に大きく上下変動する場合は注意が必要です。
というのも、終値の動きがそれほど急でなければ、不安定な相場でも安定しているように思えてしまうからです。先物取引などで高めのレバレッジをかけている場合、相場が急変した際には損失額を限定するためのロスカットが発動されることがあります。
RSIだけを見て相場の変動が緩やかだと誤認してしまえば、日中に相場が大きく動いた際に思わぬロスカットの犠牲になる可能性があります。RSIは手軽な相場指標として活用できますが、過信は禁物といえます。