全米供給管理協会(ISM)によって公表されている、製造業の景況感を表す指数です。製造業の各企業購買担当者に、企業の生産意欲を生産計画や資材調達などの面から尋ね、それを数値化したものを毎月公表しています。
なお、他国で「製造業PMI」として発表されるものと同種の指標です。
景気の動向をいち早く示す指標
ISM製造業景況指数は、集計翌月の第一月曜日に公表されるため、景気の動向をいち早く知ることができる指標として重要視されています。50を中心に、それを上回れば景気拡大、下回れば景気後退とみなされます。言うまでもなく世界一の経済大国であるアメリカですから、その製造業の動向は全世界の注目を集めます。
それ故に、この指標で相場が動くことも多いため、FXトレーダーとしては注意して見守りたい指標のひとつです。
FRBのスタンス見極めにも利用
FRB(連邦準備制度)はこれまで、ISM製造業景況指数が50を下回っている状況下で利上げを実施したことがありません。2015年7月現在、QE(量的緩和)後最初の利上げ時期が注目されていますが、ISM製造業景況指数から見ると、2013年6月以降、50を下回る月は一度もありません。
もっとも、現在のFRB議長イエレン氏は、利上げ時期を判断するのに労働環境をより重視するスタンスです。ですので、ISM製造業景況指数が50を超えているというのは参考程度に認識しておくのが良いでしょう。