IRとは、Investor Relationsの略称です。投資家との良好な関係を保つための情報開示を意味しています。
IR重視が株高につながることも
IRを重視する企業では、株価が上昇することがあります。というのも、日本の上場企業だけでも1000社以上あるなかで、すべての投資家がすべての企業の情報を十分に知っているとは言えません。
したがって、いくら良いビジネスを展開していても、投資家に気付いてもらえないために株価が低空飛行を続ける場合があります。こうした場合には、投資家向け説明会を積極的に開催するなど、IR活動に熱心に取り組むことで自社のビジネスが優れていることをアピールできます。
アピールが成功すれば、株価の上昇につながることが期待できます。とはいえ、IRを充実させるために一定のコストが必要です。そのため、IR強化にかかるコストと、自社のメリットとを天秤にかけて、どちらのほうが大きいかによってIRを行う程度を決定する必要があります。
ファナックの例
IRを重視する方針を示したことで株価が上がった企業として、工作機械メーカーのファナックが挙げられます。
ファナックは中国経済の成長などを背景に業績を伸ばしていましたが、かつてはIRには後ろ向きでした。しかし、2015年にIRを強化する方針を示し、実際に投資家向けの情報開示量を増やしました。
その結果、ファナックの株価は大幅に上昇しました。ファナックの例から、IRに積極的に取り組むことは、自社のビジネスを理解してもらい、投資家から資金を集めるのに必要だといえます。
特に上場企業であれば、義務付けられている最低限の情報開示にとどまらず、投資家が関心を持ちそうな項目については積極的に伝えることが企業にとってもメリットになる可能性があります。