株式の取引の場合には、どの証券会社がどれだけ取引したのかであるとか名義変更をすることにより大量取引をした企業や人間がある程度、取引後に正式に公表される制度がありますが、為替の場合にはインターバンクは一切その売買先を開示しませんので、すべての取引はあくまで業界の噂などで判断するしかない状況となっています。
特に様々な仕掛けを行うヘッジファンドを中心とした投機筋がどのような動きをしているのかを掌握するのは非常に難しくなっています。
そんな中でCME、シカゴのマーカンタイル先物取引所が自社で取引をしている、為替先物市場(通称IMM・International Monetary Market)における非商業部門、つまり投機筋の持ち高を毎週金曜日に火曜日までの総計を公表する結果が全米を中心として金融業界では投機筋の動きを表すひとつのインジケーターとして注目されています。
日本ではドル円だけがクローズアップされますが、ユーロドルをはじめとして他の通貨についても投機筋の持ち高をチェックすることができるので、業界ではヘッジファンドを中心とした投機筋の動きを把握するために利用されています。
ただ、現実的にはこのCMEの投機筋売買における取引カバー率は年々低くなってきているともされているため、一応の流れは把握できるものの、IMMの結果がそのまま欧米を中心としたヘッジファンドの動きを反映しなくなっていることも事実であり、あくまで参考に利用していくことが重要となっています。