IMF管理下とは、財政破たんにおちいり、IMF(国際通貨基金)によって財政再建に向けた取り組みを管理されることです。
財政破たんすればIMFによる救済を受ける
国が財政破たんした場合、債券の償還や公務員への給与支払いなどができなくなります。こうした事態を緩和するため、財政破たんが起こった際にIMFが救済資金を提供することがあります。救済を受ける国としては、国民生活の質や、国際社会における信頼をそれ以上下げなくて済むメリットがあります。
しかし、救済は無条件で受けられるわけではありません。救済を受けるにあたっては、適切な財政再建の道筋を示すことが必要です。IMFによる救済はあくまでも「救済」なので、状況の悪化を食い止める目的で実施されます。IMFによる救済を目当てにして放漫財政を行う国が出てこないよう、救済を受けるのに条件が定められているのです。
アジア通貨危機などの際にIMF管理下に入った国は多い
1997年に発生したアジア通貨危機では、タイバーツをはじめとする東南アジア諸国の通貨など、多くの途上国の通貨が暴落しました。これらの途上国では、自国通貨安が原因で、対外債務が大きく膨らむこととなりました。また、自国の産業が十分に発達していない国では、外国から様々な産品を輸入して国民生活が成り立っていました。
自国通貨の暴落によって輸入品の価格が高騰し、国民生活にも大きな影響が及びました。国家財政の破たんを防ぐべく、アジア通貨危機に際しては多くの国がIMFの管理下に入りました。アジア通貨危機の場合は、国家の放漫財政というよりも、新興国経済の脆弱さが露呈したケースであり、IMFが有効な救済を行ったといえます。